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人の命の重さが増している

昔は狩りに出たり採取したものを各自で料理して食べて、としていたわけで。

今は育てる人がいて、死んでくれる動植物がいて、流通にのせる色々な人がいて、売る人がいて、料理する人がいて…と自分の口に入るまでにたくさんの人の労力がかかっているので、ただ食べて生きるだけでたくさんの人に支えられていることになる。

それどころか、毎日乗っている車や電車はどうしたら事故がなくなるか、事故があっても安心なボディとは何かが日夜研究され開発され製造され売られて初めて自分が運転することができる。ここでも誰か見知らぬ人の英知と汗によって命が支えられている。

教育システムも刑法制度も医療システムも福祉制度も、今まで莫大な時間と数えきれないほどの人が関わって生まれ、存続されている。

とにかく人類が誕生してからずっと、人間はどうしたら安全に豊かに生命を存続していけるかに注力しているし、そのシステムにはどんどんたくさんの人が複雑に関与し続けることになっていっている。

もはや、今の日本ではただ「普通」といわれる状態で生きているだけで、数えきれないほどの「誰か」のお世話になっているのは明白で、みんながみんな自分の命も他人の命も救おうと躍起になっているので、人の命の重さは明らかに増していっている。

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