極上のカカオにめぐりあう季節
いよいよチョコレートが一年で最も注目される日がやってきました。
「幸せのチョコレート」の販売と体験ワークショップを企画運営する「たねとうず」では、特にバレンタインデーの時期を意識して営業しているわけではないのですが、放っておいてもこの時期のオファーが増えていくわけです。
そして、先日開催した「幸せのチョコレートを楽しむ会」では、参加者の方と本の話題になり、こんなやり取りをしたのでした。
「そうそう、チョコレートを題材にした本って結構あるんですよ」
「えっ、そうなんですか!?司書をやっているのに、全然気づきませんでした」
そう、その方はなんと図書館司書さんだったのですが、やはり普段チョコレートにアンテナが立っているかどうかで目に留まる本は全く違うのだなぁ、などと気づいたのでした。
ということで、今日はバレンタインデーの直前に、「幸せのチョコレート」って何?ということが少しでもお伝えできる内容の本をいくつかご紹介したいと思います。
1)APLA編(2018):「イチからつくるチョコレート」,農山漁村文化協会
いつもお世話になっているAPLAから出版された本格的チョコ解説絵本です。
絵本とあなどるなかれ!チョコの歴史もフェアトレードの知識も、しっかり網羅されています。
カカオ豆を栽培してチョコになるまでの工程を紹介するなど、大人から子どもまでためになる一冊なのです!
2)堀米薫(2011):チョコレートと青い空,そうえん社
主人公の少年とアフリカから農業実習で訪れた青年との物語。
チョコレートはあくまでも話を引き立てる脇役ですが、フェアトレードという言葉もしっかり話の中に登場し、お母さんが熱心にフェアトレードについて調べている場面などは時代が変わったのだなぁと感心してしまいました。
3)谷川俊太郎(2011):「そのこ」,晶文社
タイトルだけ見ると全くチョコと関係なさそうな本ですが、アフリカの児童労働について書かれた絵本です。
ガーナで児童労働をなくすために活動しているNPO法人ACEに売り上げの一部が寄付されます。
4)APLA編(2011):「パプア・チョコレートの挑戦」,株式会社オルター・トレード・ジャパン
編集、発行社であるNPO法人APLA、オルター・トレード・ジャパンが共に歩んできたインドネシア・パプア州のカカオ農家の現状とカカオ産業を取り巻く状況を分かりやすく説明したブックレット。
カカオ農園が成立した歴史的背景にも触れているので、農民の暮らしとフェアトレードがどのような関係性にあるのかについてもよく分かります。
5)蕪木祐介(2016):「チョコレートの手引」,雷鳥社
カカオの製法、産地、品種や歴史まで、およそチョコに関する基礎的な知識と魅力をぎゅっと一冊にまとめた労作です。
さらにここから派生したり深めたりしていけるほど、チョコの世界は奥深いと感じますが、まずは「手引」の名前通り、取っ掛かりとして持っておきたい本。
さすがチョコ技師、珈琲焙煎師としての活動実績を持つだけのことはあり、テイスティングに関する項は非常にためになります。
6)佐藤清隆[文](2021):「月刊たくさんのふしぎ2021年4月号 ひと粒のチョコレートに」,福音館書店
子どもに大人気の「たくさんのふしぎ」シリーズにチョコが登場!
発酵の仕組みからチョコの作り方まで、絵や図を用いて説明しているので、子どもにも分かりやすく大人でも読み応えがあります。
7)木野内美里(2020):「『幸福(しあわせ)のチョコレート』を探しにどこまでも」,新潮社
フェアトレードチョコこそ登場しませんが、ビーントゥバーやオーガニックのカカオ豆などこだわりのチョコが多数登場します。
著者は、フェリシモのチョコレートバイヤーさんで、この時期のフェリシモのカタログには必ず登場するキラキラしたチョコは全て彼女が現地に赴いて仕入れたもの。
よくこんなに面白い&こだわったチョコを探してくるもんだなぁ、と
関心しながら毎年カタログを眺めています。
その他にも、チョコレート産業の歴史を丁寧に説明したものや、フェアトレード産業全体の紹介をする中でチョコのことにも触れている本などがありますが、数も多くなってしまうので、今回はこれくらいにしておきます。
みなさんも、お勧めのチョコ関連本がありましたら、ぜひお教えください。チョコの世界はほんとうに奥深い。知れば知るほど魅了されてしまいますね。
「たねとうず」では、バレンタインデーが終わったあとも、在庫の続く範囲でフェアトレードチョコレートを販売いたします。興味のある方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
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