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制作過程

7月にこちらの記事に書きました通り、「UMA CREW PROJECT」さんにご依頼いただきましたイラストの制作過程です。

説明の前に、サイトについてもう少し触れさせてください。

前の記事では「 UMAの素 」「 U Tunes 」マガジンについて書きました。それ以外にも色々あるのです。今回も二つほど、挙げてゆきたいと思います。


新世代のUMAを探せ!「New Age UMA探索隊」 マガジン

「無名の新世代のUMAをピックアップしてみんなで様々な意見を交わして考察しましょう!」という趣旨のマガジンです。

パレット上の戦火 マガジン

UMAやオカルト要素を盛り込んだ、完全オリジナルの超本格SFストーリーを、ビジュアルと文章で展開されています。


固定記事には雑誌「ムー」に記事が掲載されたお知らせも!

ということで、前回に引き続いてご紹介させて頂きました。その節は重ね重ねありがとうございました。

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それでは制作過程に参りたいと思います。

まず、先方様からUMAの姿や物語のイメージを頂きました。それを受けてネットでUMAについて調べて、「こういう物語になるのかな?」と想像を膨らませてゆきます。

例えばこういうアイデア出しのメモが残っていました。

 ウェンディゴは散歩をしていた。
 小人たちは木の実を拾いに来ていた。 
 どちらも、ここに誰かが来ていると思わずに出会う。
 「ガサッ」
 「ウサギかしら」
 「クマかもよ。くわれちゃうぜ」
 「やあねえ」
 木立の間から散歩中のウェンディゴ。
 「!!!」
 ウェンディゴの触れている木の幹が凍っている。
 吹雪か氷の大気をまとっている。
 微かな声を出している。

ウェンディゴとは?

カナダのネイティブアメリカンに伝わる冬の魔物。精霊。イメージは統一はされていない。人間より大きい。人間よりも小さい。雪男。霊体。鹿の様な怪物。姿はなく声のみ。など。

あとはこういう引用も参照しています。

「非常に抜け目が無く、人に姿を見せない術を心得ている。
 1人で旅をする旅人の背後に忍び寄り、気配だけを悟らせるが、
 どれだけすばやく振り向いてもその姿を見ることはできない。
 それが何日かつづくと、ウェンディゴはかすかな、はっきりとは聞こえない声で話し掛けてくるようになる。
 やがて、旅人がその不気味さに耐え切れなくなるまでそれは続くことになる。
 かなり陰湿ないやがらせといえるが、実際に危害を加えてくることはない。 」

物語を思い浮かべると怖くて、けれど素手などで襲わないところが冬を象徴する魔物らしくて興味深いです。

次に、物語からぱっと浮んだイメージをスケッチブックに描き殴ります。

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この段階の絵が、そのままイラストの下地になる時もあれば、参考程度にとどまる場合もあります。最初の線がザクザクしているので、下書きから完成に至るまで、いつもちょっと遠回りです。

同時に世界観も広げておきます。籠の材質や服など、小人たちが日頃からどういう暮らしをしているかの設定です。

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続いて、スケッチブックの画像を取り込んで、ラフ画の作成です。ウィンディゴを描くも最初はあまりうまく行かず、小人が先に描き上がりました。

カラーを仮で乗せてゆきます。

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画面の上が窮屈な気がしたので、全体的に絵を下げます。ウェンディゴのサイズ感を出したいので、樹木など背の高いパーツの陰影を濃くします。

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レイアウトで悩んでいる隙間に小人の服を決めていきます。服の季節感は新緑の春か実り豊かな秋です。

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今回は小人たちのイメージが先に確定したので、そちらから取り組みます。
まずは微調整。奥にいる片割れの男の子と、手前右側の女の子の視線を上げました。

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決めた衣装を着せていきます。

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線が大体が定まったので、清書です。

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着彩。

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陰影を足します。

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小人たちの作業をここで一旦止めて、UMAを描いてゆきます。角の形をはっきり見せたい。膝をどうついているのか。など探ります。

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体の表現をどうしようかな。と悩むうちに書き込みが増えてしまいます。

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自分の絵柄を活かすなら線は少なめで素朴な感じでいい筈、と軌道修正中。
体と角を書き込みすぎないように気を付けて清書します。

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UMAを小人たちとを合わせていきます。
ウェンディゴの印象を、「凍えた空気を纏っていて、その周辺は寒い」という雰囲気にしたかったので、木々に紛れる色味ではなく、寒色系を割り当てました。

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ウエンディゴと小人たちを仕上げていきながら、背景の茂みと樹木に色を付けていきます。

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茂みに葉っぱを書き込み、樹木の表面の模様を仕上げていきます

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さらに茂みを書き込んで仕上げます。
木漏れ日を地面に落として、画面の手前と奥の寒暖差を表現します。ウェンディゴの影を少し濃く入れて、背後の森や、奥に居る小人の色を明るくして、奥行きや空気の温度の低さを出します。

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画面の中心を白っぽく明るく見せる仕上げのフィルタを入れて、冷凍庫を開けた時のようなひやっとした空気が漂う感じにして、完成です。

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制作過程は以上になります。

集中して絵を描く時間は、愉しかったです。ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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もちだみわ
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