110.ものづくりはオワコンなのか?
かつて日本はものづくり大国でした。
外国から原料を輸入し、製品を製造し、国内外に売っていくことで成長してきました。
そして現在も、ものづくり大国だとは思っています。
しかし、昔のような"いいものを作っていれば儲かった"という時代は終わったと言われています。
人々の物欲が支えた成長
根本的な話として、先程述べたようなものづくりによる日本の成長期を支えたのは簡単に言えば"物欲"です。
冷蔵庫を持っていないから買いたい。
自宅にクーラーを設置して快適に過ごしたい。
車を買って友達と、家族とドライブに行きたい。
というより、所有をしたい。
そういう人間の欲求を日本のものづくりは支え続けたわけです。
現在は?
モノは溢れ、所有からシェアの時代になりました。
IT化が進み、モノ消費からコト消費、最近はトキ消費と言われるものも出てきました。
ものづくり大国として成長してきた日本の成長が頭打ちしている一つの原因がここにあると思います。
では、ものづくりはもはやオワコンなのでしょうか?
モノづくりは”終わらない”
私の会社は金属製のボタンやホック、リベットを作ってきた会社であり、私はこの課題に直面しています。
現在の私の結論から言えば、"終わっていない"と思っています。
ちなみに入社したての頃は、"モノづくりは終わってるから早く他のことをやらないと"と思っていました。
大前提の話を先にしておきますが、今の私も"終わっては無い"と思いつつ、今後の成長のためにはものづくり以外も含めた施策をしていく必要があると考えています。
その上で、ものづくりに対する考えの変化を書きたいと思います。
元の考えは先程述べた通りです。
しかし、改めて考えてみたわけです。
モノが溢れてるのは、モノを作っているからじゃないのか?
ものづくりがオワコンだったとして、ものづくりの会社が一斉にモノを作るのをやめたら、世の中からモノがなくなる。
そうすればまた物欲の世の中に戻るはず。
私たちものづくり企業は、この"モノが溢れてモノがいらない世界を維持、もっと言えば発展"させていく責務があるんじゃないのか?
この考えに到達してからは、「モノづくりはまだまだ終わっていないし、これからも終わらない。さらに、今ウチの会社が作っているものを買ってくださるお客様がいる限り、モノを作り届ける責任を果たさなければならない。」と思っています。
先ほども述べたように、だから今までやってきたことだけをやっていくような、視野の狭いことはしません。
しかし、モノづくりについて、胸を張って続けていきたいと思いました。
ちなみにこの考えに至ったのは、先日の休みに自転車で大阪をうろうろしていた時です。
昔からそうなんですが、1人で考え事をする場合。私は自転車に乗ってサイクリングしているときが最も冴えます。
今日の話も何かのお役に立てば幸いです。