労務は一体何を考え、何をしているのか〜労務の想い〜

エンジニアから人事として転職し、1年半以上が経過しました。

会社では、まだ1人人事であることもあり、これまでやっていた人事企画・採用・教育に加えて実務ではやっていなかった「労務」の業務もやっています。(むしろこっちのほうがメイン業務になってないかというところは一旦おいておきます。オペレーション好きでついついやっちゃうんですよね…)

採用とか、人事企画の人の発信は多いものの、「労務」の人ってあんまり発信されていないなーと思うので、あえて「労務」のお仕事について発信してみたい。と思いました。なんでそう思ったかって?

労務って、従業員から見ると、残業うるさくてめんどくさいし、近寄りがたいイメージかもしれないけど、従業員のためにめっちゃ頑張っているポジションだと思うのです。
ですが、色んな理由で非効率な仕事も多く。誤解されていることも多いのではと感じます。私自身もちょっと誤解してたところもあるし、実務やってからは、前職の労務の方には、足向けて寝れないな。とも思いました。

それが少しでも伝わったら嬉しいのです。

このシリーズの前提条件として一つだけ。
当社ですが、現状社労士は顧問契約だけで、業務の委託はしてないので全部渡しがやってたりします。私がやってるよという実務については、社労士さんに業務委託しているところも多いと思います。

労務の思い。「安全と衛生」

実務的なことについては、これから書くとして、大前提の思いについてまずは書きたいと思います。

労務というと、残業について管理したりするイメージは多いと思うのですが、前提の法律となるのが「労働基準法」(以下労基法)と「労働安全衛生法」(以下安衛法)です。

これらの法律が会社員の残業の上限だったりを決定するものなのですが、これがまた残念ながら「古臭い」のです。だって、今や理由もなく出勤時間決まってるとか、ありえなくないですか?と私もどこかで思っているたちです。(今の会社フレックスないけど。)

しかし、この記事を読んだところ、「オフィスワークしている人は全体の10%」という話がありました。

労基法が古臭く感じるのは、殆ど「オフィスワーカー」の人たちなのでは、と思います。
前職の会社は実はとある工場の中にあった時代もあり、この記事を読んだとき、工場のいわゆる現場の仕事において、プライドと志を持って私が日々目にするような製品を作っている人たちの熱意を思い出しました。

その人達の一番大事な価値観は「安全と衛生」です。

従業員が、事故なく、健康で、働き続けること。
工場では大きな機械を扱うこともあり、事故は人の命を奪うこともありますし、命は助かっても、もう仕事を続けられない、という状況に陥る可能性は大きいのです。
ディズニーの一番プライオリティーの高い価値観も「安全」と聞いたことがあります。ショーよりも優先されるのは実はお客様の安全です。

そう思ったときに、オフィスワーカーの目からだけ見て、今の法律が古臭い、なんて言うことは到底できないんじゃないかと思うようになりました。

オフィスワーカーが事故なく、健康で、働き続けるために。

労務の仕事は、社員に対して、制約となることが多い仕事です。

法律がこうだから、これをしてはいけないと言わなければならない。
頑張るべきときに、残業をしないように言わなければならない。

なんで?と言われることは多いです。
私も、今、踏ん張り時なんだなぁと思うときに、この人は残業がかさんでいるから、業務調整をして!というときは辛いこともあります。

でも、すべての従業員が、毎日健康な身体で、明晰な頭で、毎日を充実して過ごせるようそしてやるべきときには120%の力を出せるような環境をつくる必要があるのです。

工場のようにわかりやすい事故は起こりません。だからこそ、いつ身体を壊すかわからない。身体を壊す可能性があるのは、長時間労働や、それによる身体をあまり動かさないことによる肥満、食事のバランスの乱れなどでしょう。

事故にはならないかもしれないけれど、働くことで、健康という幸せがどこかで蝕まれているのかもしれません。

それを少しでも防ぐために、働く時間を制約し、働きすぎているひとが見えるようにし、身体や精神に影響がないのか、見えるような制度にするようにしているのです。

少しでも想いが伝わりますように。

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