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おかあさん独占デー

次男が生まれて少し経った頃から、長男の吃音が始まった(のちに自然に治った)ことをきっかけに、次男が眠っている間や同居する義母が次男を見てくれている間に、極力長男とのふれあい時間を持つようにしていた。

次男の障害が分かると、どうしても次男の方に目が行きがちになったが、長男の幼稚園の先生に相談しながら、なるべく一日に一度は長男だけを見る時間を作った。

幼稚園や小学校の長期休みのどこか一日を「おかあさん独占デー」と称して、次男が保育園や障害児日中一時支援施設にいる時間限定で、一緒に映画を見に行ったり外食したり買い物をしたりして過ごした。

この日は長男も楽しみにしていたらしく、「今度の夏休みの独占デーは〇〇の映画を見に行きたい」などのリクエストも出るようになった。

仮面ライダーやポケモン、イナズマイレブン、妖怪ウォッチなど、映画館の大きなスクリーンでポップコーンを食べながら、長男は嬉しそうに映画を楽しんだ。私は暗くなると眠くなる質で、瞬きしたつもりが話がずいぶんと進んでいて「え?あれ?」ということが何度かあったんだけれども。

この「おかあさん独占デー」、いつまで続けたらいいのかしら?長男が小学校を卒業したらさすがに終了かな…。

などと考えていたら、長男が小学校高学年になった頃にいつのまにか終了してしまった。家で家族と過ごすよりも友達と過ごすほうが楽しくなってきたらしい。

はっきりとは覚えていないが、小学5年生のうちに「おかあさん独占デー」はなくなってしまったと思う。男の子は、ある程度の年齢になると親(特に母親)と一緒にいるところを友達に見られたくないらしいし。

長男が高校生になった今、長期休み等に2人で出かけることはあるが、それは眼科や皮膚科などの受診だったり、散髪のための床屋さんへの送迎だったり。「どこかに寄って何か食べていく?」と聞くと「いい。コンビニで何か買って家で食べる」という返事。母親と一緒にいるところを、絶対に友達に見られたくないらしい。

中高生の男の子はたぶん、こんなもんなのだろう。ちょっと淋しい気もするけど。

こうやって、少しずつ親離れの準備を始めているんだろう。やっぱり淋しいけど。

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ひやみん
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