ファンタスティックコント~初詣編~

 明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 では新春コントスタート。

① 古いロボットの初詣 

「今年こそ故障しませんように、に、に、に……」

② お賽銭、ちょっとはずもう

 二十歳くらいの娘さんが、一人で初詣に来ました。
 神殿に両手を合わせました。
 何か、ぶつぶつと祈っています。
「お賽銭、去年よりちょっとだけはずんだから、神様、彼氏をお願いね。今の彼氏より、ちょっびり背が高いといいな」

③ 怠け者の夫と、働き者の妻の初詣

 仲がいいのか悪いのか、わからない夫婦が初詣に来ました。
 まず仕事嫌いで家でぶらぶらしている夫が、おみくじを引きました。
「吉か。なになに、『あなたの努力は実りません』だって。どういう意味だい」
 働き者の妻が、のぞきこみました。
「あら、あなたに関係なくて、よかったじゃない」
 妻はというと、大吉でした。
『良き出会いあり』
 妻は慌ててお財布に、そっとおみくじをしまいました。 

④ おみくじだって勝負だ

 博打うちが初詣に来ました。
 神社の賽銭箱の前で、両手を合わせました。
「昨年は有り金を全部使っちゃいましたが、今年こそは勝ちますように」
 おみくじを引きました。
 いざ、勝負。
「吉かよ。物足らんなあ。もう一回だ」
 今度は中吉でした。
「もう一息だ。神様、頼むぜ。せーの」
 凶でした。
「お賽銭、返せ。もうひと勝負。こうなったら、交通費も賭けるぞ」

⑤ クレーマーのおみくじ 

 クレーマーが初詣に来ました。
 おみくじを引きました。
 凶でした。
「おみくじに凶なんか入れるなよ。責任者、出せ」
 事務室の奥から、おみくじ部長が、おみくじコーナーを見ました。
「苦情か。ついてないな」
 おみくじ部長が事務所から出てきました。
「ちょっと、お待ちを」
 部長はクレーマーの横で、おみくじを引くふりをしました。
 すでに手元には、用意したおみくじを握っています。
 クレーマーに、自分のおみくじを見せました。 
 大凶でした。
「何か御用ですか」

⑥ お賽銭の領収書

 会社員がお賽銭を投げて、お祈りをしました。
「商売繁盛、商売繁盛、商売繁盛」
 横に立っている巫女さんに、領収書の発行をお願いしました。
「すみません。会社の経費で落とすもんですから」
 巫女さんが『領収書コーナー』を指さしました。
 ライバル会社が並んでいました。 

⑦ けちんぼな初詣客 

 賽銭箱の前で、巫女さんにお願いです。
「お釣りください」
 巫女さんが、にっこり。
「神様が、とってもお喜びですよ」 

⑧ きっぷのいい初詣客 

「釣りはいらねえよ」
 巫女さんがにっこり。
「十円でしょ」


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