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ジャンボ尾崎プロの画像を解析~目から鱗『仙骨トライアングル』足踏み打法~ 

①『仙骨トライアングル』って何?

 『仙骨』とは、両股関節の中央にあり、骨盤の後ろ側にある細い骨です。
 背骨を下から支えている骨でもあります。
 仙骨は腰骨の中心というより、体の上と下・左と右の中心にある、まさに『体の中心の骨』といってよいでしょう。
 ゴルフスィングを骨格から解析するなら、両足の踏み込みで、力が『股関節から仙骨に』伝わり、仙骨が上の『背骨軸を回転』させるというわけです。 
 それほど重要なのに、ゴルフのレッスン書で『仙骨の使い方』からスィングを解き明かした書籍には、私は出会ったことがありません。
 たいていは、体の正面、表側からの分析です。
 一方、仙骨は、体の裏側、奥の奥、眼に付かないところにあることから、注目されていないのかもしれません。
 でも、素人ゴルファーの課題を根本から解決するために、仙骨を無視してスィング改造ができるでしょうか。
 仙骨から解き明かすことができれば、スィングの全貌が、内側から、下半身から、明らかになるのではないでしょうか。
 というわけで、本記事では『仙骨』からスィングを解き明かすことに挑戦したわけです。しばらくお付き合いください。きっと、眼から鱗のスィング理論になるかもしれません。
 ではまず、仙骨の形をもう少し詳しく表現します。
 仙骨は、二等辺三角形に近い逆三角形をした骨で、まさに槍の先端によく似ています。
 背骨と仙骨を合わせれば、アドレスで腰を構え前傾することは、そのまま槍を地面に斜めに突き立てているわけです。
 でも、なぜ『仙骨トライアングル』というのか。
 私のこれは造語です。
 『仙骨トライアングル』とは、この骨の形ではありません。
 もっと大きな概念です。
 両足の『踵』と『仙骨』を結んだ大きな下半身の『三角形』のことなのです。両踵を地面に固定し、仙骨を安定させることで、安定したアドレスの姿勢を作るというわけです。

②室内練習の成果『仙骨トライアングル』の発見

 あるゴルフ雑誌の特集で、整体師が『仙骨』について触れた記事がありました。でも、スィング全体の動きのメカニズムを、説いたものではありませんでした。
 整体師さんの専門であるストレッチを、ゴルフ用を中心に特集した記事だでした。
 私が『仙骨』に注目するようになったのは、次のリンクの記事を書いていた頃のことです。たまたま室内素振りの練習で、アドレスした時のつま先の開き具合を試行錯誤していたわけです。

 そのときに、「まてよ、つま先の開き具合より踵の位置のほうが大切なのではないか」と思ったわけです。
 今までつま先ばかり気にして、「右足は直角、左足は45度開いて」なんて考えていたのですが、まず足腰を使いやすい両踵の位置を確認することにしました。
 踵を決めてから、適当に爪先を開いてみると、腰の中心に意識が生きました。そこに、つまり『仙骨』があったのです。
「これだ!」
 踵をしっかりさせて、それから、つま先を決めれば、足の動きに連動して股関節が動く。
 仙骨が、その場で、回転するではありませんか。
 いい、感じでした。
 そこで次のステップ。足腰の使い方の研究に入ったわけです。

③足踏みって、いいかもね!ジャンボ尾崎プロから学ぶ。

 ふと、ゴルフの天才、ジャンボ尾崎プロのスィングを思い出しました。
 尾崎プロのアドレスに入る時のセットアップ。
 なんと、足踏みをして、踵の位置を確認しているではありませんか。
 動画を下に貼ります。御覧ください。

  ゴルフ界最強の天才プロゴルファー、ジャンボ尾崎プロこそ、「足踏み」を最も大切にしているゴルファーではないでしょうか。
 尾崎プロはレッスン書を出していないと記憶しています。今までアマチュア向けに、自分の技術を語っていないように思えます。
 確かに、ジャンボ尾崎プロのスィングは、アマチュアに、とてもマネできるフォームとは思えません。
 でも、よく見てください。
 どっしりした下半身の中心、『仙骨トライアングル』を、足踏みして決めて、その後でつま先の位置を定めているように見えます。
 この手順は、マネできるのではないでしょうか。
 尾崎プロは、腕を突くように強烈に振っているようでも、実は強靭な下半身を生かし切ったスィングをしている。だからこそ、300ヤードを超えるドライバーショットを打てるのではないでしょうか。
「せめて、足踏みだけでも、真似しよう」
 よし、股関節から前傾し、『仙骨トライアングル』を意識して足踏みする。これが正月の「新年の誓い」。ちょっと本気の決意でありました。

④『仙骨』の前に何がある?そうだ、『丹田』だ!

 腰の後ろが『仙骨』なら、表には何があるのでしょうか。
 下っ腹。
 張り詰めた締まった下腹。
 これこそまさに『丹田』じゃないですか。
 武道の動きでも、座禅のような瞑想でも、最重要なのが丹田。
 ジャンボ尾崎プロも前傾して、丹田でボールを見ているように思えます。
 仙骨と丹田が張り詰めて一体になった時、ゴルフの構えは中心がしっかりしたものになるのです。
 私は空手が好きで、昔道場に行っていたのに、ゴルフをやるときには丹田のことなんか考えたことがありませんでした。
『腹式呼吸』は息を吸い込んだときに、肺が大きくなって、肺に押されて下腹が張ります。逆に丹田呼吸は吐くときに、まるで下腹から息が出るように、下っ腹を張ります。『逆腹式呼吸』と呼ばれています。
 仙骨の位置を決める踵の次は、丹田で決めます。
 まさに、ゴルフのボディーターンスィングで、この丹田がしっかりしていれば、剣道の上段からの面打ちや空手の瓦割のように、ボールを打ち抜くことができることでしょう。
 私の頭の中で、武道とゴルフがつながった次第です。

⑤スィングの8ステップに『仙骨トライアングル』を当てはめてみると

 以前に書いた記事で、スィングを八段階で検討したことがありました。次の記事です。

 この方法に当てはめてみると、
第一 アドレスの前傾で足踏みして踵の位置を決めて、仙骨を前傾すれば、股関節から前傾するわけです。ジャンボプロの腰の前傾をみてください。姿勢の緩みがありませんね。肩の力を抜き、丹田に呼吸を落とす。
第二 左足の踏み込みで仙骨が回転し、右股関節が後方に引かれます。仙骨が回転することで胴体が回転し、両腕の三角形を維持したままにテークバックができるようになるわけです。シャフトが地面に水平になるまで、この動きです。
第三 仙骨、股関節の回転が止まり、肩の押し込みで適度にアームローテーションしながら、クラブはトップに上昇します。上体はねじられていますが、仙骨はほとんど回転していません。ねじりのパワーが体幹に蓄積しています。
第四 左足がアドレスに戻り、仙骨も正面にもどります。切り返しです。グリップが下に落ちます。深いコックができています。左サイドリードで、仙骨は正面に戻されたのです。
第五 全身でボールを押すインパクト。仙骨は一瞬左の壁で回転が止まり、クラブヘッドの追い越しを待つ形になります。
 クラブは左肩の引きと右足の直線的な蹴りで加速しながらのインパクトとなります。右手のスナップがヘッドを走らせ、打ち抜きます。
 足元から体幹が動いていくのですから、目線は不動です。
第六 仙骨は両腕に引っ張られるようにして、左45度を向きます。右手が伸びて、フォロースルー。左側水平の位置を、クラブは猛烈な速度で通り過ぎます。できれば、目線を、ここまで残したいものです。
第七 フィニッシュへ。仙骨はさらに回転し、右サイドに押されて、正面からさらに左を向き、ようやく仙骨の回転は一瞬止まります。
 右肩が前に出て、シャフトは後まで振り切ります。両腕はたたまれています。
第八 反動で、クラブが飛球線、ターゲット方向、体の正面に戻ります。前傾したままに、全身でボールを見送っています。体は前傾したままです。
 仙骨はフィニッシュ位置から逆回転して、クラブと同じくターゲットの正面に向いています。つまり、アドレスからは90度左の位置です。
 これが終点です。

 各ステップに仙骨を当てはめると、実に確固としたフォームに、なっていくように思えます。

⑥『仙骨トライアングル』足踏み打法へ

 『仙骨トライアングル』を意識して、アドレスで足踏みすると、地面を蹴りやすい足の構えができています。
 足踏みの感覚が、下半身に残ります。
 上体を股関節から前傾してクラブヘッド下ろし、丹田呼吸を決めます。
 すると、左足の踏み込みで、自然にテークバックが開始できるように思えます。
 前出の各ステップの動きを、下半身リードで、できるようになるのです。
 下半身主導のスィングのモーションは、エンジンが、まさに『仙骨トライアングル』なんですね。
 下半身でスィングするメカニズムが、具体的に構造的に理解できれば、下半身を生かしたスィングができるわけです。
『足踏み打法開眼』と、いいたいところです。
 あとは、練習あるのみ。

⑦まとめ

 ゴルフ理論で、「よし、わかったぞ」となったとき、自分のスィングに迷いがなくなることでしょう。
 自分に合ったスィング理論と出会えれば、後戻りせずに『前進する道』が開かれるのではないでしょうか。
 眼に入らない場所から組み立てていく。
 体の後ろ、さらに下半身。
 ここを抑えておけば、体の土台も理論の土台も、ついでにゴルフメンタルの土台も、揺るがなくなるのではないでしょうか。
 土台は基礎です。
 家と同じです。基礎がしっかりしていれば、頑丈な家ができるはずです。基礎の上に自分なりのスィングを構築としていけば、結果もついてくると思いたいものです。
 スィング軸を支える『仙骨トライアングル』こそ、回転軸の安定と下半身で打つ股関節打法の土台というわけす。
 全身でボールを打ち抜くゴルフスィングは、『仙骨トライアングル』がわかれば、明快になることでしょう。
 飛距離と方向性のアップに、つなげたいものですね。

 では、ご一緒に、上達を。




 



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