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【おはなし】 シェイプとほしのたまご すてきなクリスマス



 こんにちは!ひやま すなおです。ただ今アドカレをフレンドさんの力を借りつつほぼひとりで疾走中。
 本日は2023年12月24日(日)掲載の記事になります。
 
 いよいよラスト2日となりました。最後までぜひお楽しみださい♪


 ひやまさんて何してるひと? はい、ひやまは絵を描いたりしてる人です。詳しくはこちらの記事をどうぞ!


 昨日は今年のアドカレ最後のゲストとして、フレンドのむさし☆蛮樽絵師さんが記事を掲載してくれました!ありがとうございます!!

 こちらの記事を元に、ひやまも一から「HOVERBOARD」を制作しました!その様子はまた別の記事でご紹介します♪



 
 今日は、アドカレ開始直前から公開していた「ほしたま」のおはなし「シェイプとほしのたまご すてきなクリスマス」を挿絵つきでお送りします。

 「ほしたま」は、clusterでクラフトアイテムやアバターなどでひやまが紹介しているキャラクターですが、今回はこの「ほしたま」が登場する ひやま すなおのオリジナル作品「シェイプとほしのたまご」より、アドカレ用に書き下ろしたクリスマスストーリーです。


「シェイプとほしのたまご」作品についてはこちらでもご紹介しています♪


 かわいい「ほしたま」たちの、とある年のクリスマスの物語。お楽しみください♪




シェイプとほしのたまご すてきなクリスマス


作・絵 ひやま すなお



 みなさんは、「ほしたま」を知っていますか?
 にわとりの卵のような形をしていて、大きさは、おとなの手のひらに乗るくらい。

 頑丈な体は、星くずをかためてできた「から」でできていて、黒い二つのくりくりした目と、小さなお口がついています。


 高い声でピィ!ピィ!と鳴きながら、弾力のある体でボールのようにぴょんぴょんと跳ねまわります。


 ほしたまは、空からやってきた、星のたまご。お星さまの赤ちゃんです。



 ほしたまは、ほしたま職人によって育てられます。
 ほしたま職人のシェイプは森に住む小さな女の子。
 ウサギのような長い耳に、猫のような長いしっぽを持っています。


 深い茂みを抜けた先の、原っぱの中。
 小さな川の近くに、シェイプの「ほしたまハウス」がありました。


 シェイプはおばあさんの代から、ここでほしたまを育てて暮らしています。



 さて今夜は、クリスマス・イブ。
 窓の外はもうすっかり暗くなって、時折、冬枯れた草や木が風に揺れて、カラカラと音を立てました。


 シェイプは暖炉の前に座って、ほしたまたちを「1たま」ずつ呼ぶと、丁寧に体を磨いてあげました。


 暖炉の灯りが、家の壁やテーブルに飾られたモミの葉のリースや、ヒイラギの赤い実をキラキラと照らしています。
 
 暖炉の上にはシェイプのおばあさん、それからたくさんのほしたまたちの写真が、小さな額に入れられて飾られています。


 「さあ、次は『さんがつ』ちゃん。お布団に入る前に、ピカピカにしようね!」



 シェイプは1たま磨き終えると、次のほしたまを呼んで、膝の上にのせました。
 昼間、たくさん外で遊んで泥だらけになったほしたまたちの「から」についた汚れを、柔らかいブラシでこすって、ぬるま湯をしぼったきれいなタオルで拭いてあげました。


 「さんがつ」ちゃんは、元気にピィ!と鳴きました。
 シェイプは、うんうん、とニコニコしながらうなずいて、それから、楽しそうにふふっと笑いました。

 シェイプは「さんがつ」ちゃんを磨き終えると、今度は「ごがつ」ちゃん、「ろくがつ」ちゃん、「はちがつちゃん」を磨いてやりました。

 初めに磨いてあげた、「にがつ」ちゃんと合わせて5たま。
 シェイプの育てるほしたまたちは、いつもニコニコ笑顔。
 シェイプが全部のほしたまを磨き終えると、ほしたまたちはピィ!ピィ!と鳴いて、まだ遊びたそうにぴょんぴょんとシェイプの周りを跳ね回りました。


 家の中には、木でできた古い椅子やテーブルが並んでいて、暖炉の奥には青い生地が貼られたソファー置かれています。
 
 その上には白いカーテンのかかった小さな丸い窓があって、シェイプはカーテンを少しだけめくって窓の外を覗きました。
 そして「あっ!」と声を上げました。

 
 「今、サンタさんのソリが、見えたかも!」


 それを聞いて、ほしたまたちは互いに顔を見合わせました。
 シェイプはまた、ふふっと笑いました。


 「サンタさんに、ごあいさつしようか!」


 ほしたまたちは、ピィ!ピィ!と楽しそうに飛び跳ねました。
 
 「ぜんたーい、整列!」とシェイプが手を上げて言うと、ほしたまたちはシェイプの前に上手に並びました。


 シェイプはソファの横のバスケットの中から、金色のリボンのついた大きな包みを持ってきて、ほしたまたちの前に置きました。
 

 「みんな、これは、ぼくからのクリスマスプレゼントです!」

 シェイプはそう言って、包みを開くと、中から白いポンポンの飾りがついた小さな赤い帽子が5つ、出てきました。
 
 ちょうど、ほしたまにぴったりのサイズです。





 シェイプはまずは一番最初に並んだ「にがつ」ちゃんの頭に帽子をかぶせてあげました。
 にがつちゃんは嬉しそうにピィ!と鳴きました。


 次に、さんがつちゃんに帽子をかぶせました。
 さんがつちゃんはピィ!と嬉しそうに鳴きました。


 その次に、ごがつちゃんに帽子をかぶせました。
 ごがつちゃんも、嬉しそうにピィ!と鳴きました。


 それから、ろくがつちゃんにも帽子をかぶせました。
 ろくがつちゃんはちょっと照れくさそうに、ピィ!と鳴きました。


 最後に、はちがつちゃんに帽子をかぶせました。
 はちがつちゃんは帽子をかぶると、ぴょんと飛び跳ねて、シェイプのほっぺに、チュッ!とキスをしました。



 屋根裏部屋は、ほしたまたちの寝床です。
 小さな部屋いっぱいに、ふかふかのマットが敷かれていて、シェイプもみんなと一緒にいつもここで眠ります。


 シェイプはマットの上の毛布を羽織ると、屋根裏部屋の天井の窓を開けて、よじ登りました。
 ほしたまたちはシェイプの後から1たまずつ、ぴょんと飛び跳ねて、窓の外に出ました。



 キーンとした冷たい風が、シェイプの顔にあたりました。
 「わぁ、冷たい!」白い息がふわっと広がりました。
 赤い帽子のほしたまたちは、シェイプの羽織った毛布の下からぴょこぴょこと顔を出しました。

 「うわぁ、きれいだねぇ!」

 シェイプが空を見上げると、満点の星空が、原っぱの上に広がっていました。
 ほしたまたちも白い息をはきながら、ピィピィと小さな声で鳴きました。




 「宇宙は、みんなの、おとうさん、おかあさん」

 シェイプは5たまのほしたまたちを抱えて言いました。


 「キラキラお星さまたちは、君たちの、おにいさん、おねえさん、だねぇ」



 ほしたまが、ピィ!と鳴きました。
 ごがつちゃんです。
 シェイプはごがつちゃんの頭を優しくなでました。


 風が吹いて、カラカラと草木が鳴りました。
 シェイプは耳を澄ませると、遠くに、確かに鈴の音が混じって聞こえました。



 「サンタさんが、来たみたい!」


 シェイプがそう言ってほしたまたちを見ると、ほしたまたちは、みんなもう眠たそうにあくびをしています。
 シェイプは笑って、5たまのほしたまを毛布に包んで抱き上げました。


 「サンタさん、ご苦労さまです。おやすみなさい」


 シェイプはそう言って、ほしたまたちと一緒に窓から屋根裏部屋に戻りました。
 
 かすかに、優しそうなおじいさんの笑い声が、聞こえたような気がしました。


 


 クリスマスの日の朝。
 天井の窓から暖かいお日さまの光が差し込むと、ほしたまたちは目を覚ましました。
 

 そうしてまた元気よく、ピィ!ピィ!とシェイプの周りを跳ね回ります。
 今日はいつもより一段と騒がしく、シェイプは「うーん」と目をこすりながら起き上がりました。


 「ふああ……。みんな朝から元気いっぱい。うわあ!」


 シェイプが眩しそうに目を開けると、小さな屋根裏部屋いっぱいに、リボンのかかったカラフルな包みがたくさん置いてありました。

 サンタさんからのプレゼントです!


 包みの中からは、美味しそうなお菓子やケーキ、ぶーんと鳴る不思議な虫のおもちゃやかっこいいバイクのおもちゃ、水色のくまのぬいぐるみ、ほしたまそっくりのお面や、夏に使えそうなパイナップルの浮き輪までありました。

 ほしたまたちは嬉しそうにおもちゃを取り合って遊びはじめました。



 シェイプはふと、自分の枕元に包みが一つ残っているのを見つけました。

 シェイプが包みを開けると、そこには暖かそうな青いコートが1着入っていました。


 もうじき、森も原っぱも、一面真っ白い雪でいっぱいになります。

 外で遊ぶのが大好きなほしたまたちを追いかけるのに、暖かいコートはきっと役に立つでしょう。


 シェイプが玄関のドアを開けると、ほしたまたちはおもちゃを持って外に飛び出して行きました。
 シェイプは早速コートを着てみました。
 サイズもちょうどぴったりです。


 原っぱの向こうから、大きな帽子の男の子と長い金色の髪の女の子がやってくるのが見えました。
 それぞれ手に荷物を抱えています。二人の足元や頭の上には、シェイプのほしたまたちとは少し様子の違うほしたまがいました。



 「パニ!ティー!クリスマスおめでとう!」


 原っぱの向こうからやってきたのは、シェイプと同じほしたま職人の友達でした。シェイプは大きく手を振ると、やってきた二人も「クリスマスおめでとう!」と言いました。

 「みてみて!とっても素敵なコートでしょ?」

 シェイプはそう言って二人の前でくるりと回りました。
 長い髪の女の子のティーが「私も新しい髪飾りをもらったのよ、かわいいでしょ?」と頭についた星形の髪飾りを見せてくれました。


 「パニは……あ、新しいマフラーだ!」シェイプが言うと、大きな帽子をかぶった男の子のパニが新しいマフラーから少しだけ顔を出して、こくりと頷きました。



 「さあ、お料理たくさん作りましょ!」ティーはそう言ってシェイプの家の中に入って行きました。
 
 二人はたくさんの食材を持ってきてくれました。
 シェイプは嬉しそうに「うん!」と言って笑いました。
 

 シェイプのほしたまたちも、ティーとパニが連れてきたほしたまたちと一緒に原っぱで、ピィ!ピィ!と楽しそうに跳ね回りました。



 今夜は、みんなで賑やかな楽しいクリスマス・パーティーです。みなさんも素敵なクリスマスを!


 
 

制作:2023年12月 ©︎ひやま すなおのイラスト工房

 



ご覧いただきありがとうございました!


 いかがでしたでしょうか?皆さんの街にも、今夜はサンタさんがやってくるかもしれないですね!素敵なクリスマス・イブをお過ごしください♪



 明日はアドカレ最後の記事になります!

 最後の記事では、2023年9月某日発生した「聖剣タマゴカリバー事件」をお送りします。


 お楽しみに!



 最後までご覧いただきありがとうございました!


 ではまた!




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