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書評_ホリエモンを諦めた人へ__稼ぐことから逃げるな

【書評】ホリエモンを諦めた人へ。『稼ぐことから逃げるな』
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著者は年収チャンネルで過激な発言でお馴染みの株本祐己氏であり、「自己啓発本やビジネス書なんか絶対読まないよ。」と言いつつ出版したビジネス書である。

現時点のAmazonカスタマーレビューは33件で☆5つが52%、☆1つが24%となっており、☆5のレビューは「読んでませんがとてもために…」、「私は大学3年生ですが…」と支持層としてはやや物足りないが、そもそも株本氏の支持層がレビューなどする訳がないので私は納得している。他は自慢話、自己満本、「立ち読みで十分」、「株本氏が嫌いなので☆1にしました」などであり、この本のレビューにすらなっていない。

個人的な意見だが、私はこの本が好きである。
書店のビジネス書のコーナーで目立つように宣伝してもらっているのは、ホリエモン、キングコング西野さんなどのインフルエンサー、ほかには松下幸之助、渋沢栄一などの古典的な大経営者である。私のような凡人からしてみると参考にならないほど偉大であり、内容は抽象的かつ精神論が多く含まれているので具体的な行動変容には繋がらないことが多い。リアルを感じにくいのだ。

しかし、それらと比較して本書は非常に具体的かつ現実的であるといえる。
「夢を叶えるよりも稼ぐ方が難しい。」と筆者は述べているがそれもリアルである。

夢を語るよりも東大に合格するために勉強することのほうが難しいし、子供を県外の私立に送り一人暮らしをさせることの方がはるかに難しい。

夢を見るより、財務表を見て赤字を黒字にするほうが難しいし、意味不明な部下のミスの責任を取らされることのほうが辛いし、馬が合わない上司が評価者になったときは吐き気がする。

これらの対応こそが現実なのだ。
株本氏のキャリアの特徴は偉大過ぎる著名人たちと比較しても汎用性、再現性が高いと考えることができる。株本氏がいる層は本も出版しないしメディアに露出することが無いが、社会人として自然と目指している層である。

私たちが見るべきは夢でも偉人ではなく、泥臭いことやしんどいことに食らいついて会社の売り上げを立てているハードワーカーではないだろうか。それが株本氏を支持する層なのです。
株本氏の露出は偉人を支えていた優秀なハードワーカーたちのピックアップを意味します。新しいカテゴリーの出現です。



稼ぐことから逃げるな 若者たちに伝えたい「個の時代」を勝ち抜く方法
作者:株本 祐己
発売日: 2020/12/17
メディア: Kindle版

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