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書評_茶の湯を通して__千利休_日本人のこころの言葉_

【書評】茶の湯を通して。『千利休〜日本人のこころの言葉〜』
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千利休は自ら言葉を綴る事をほとんどしなかった。利休の茶の湯そのものが思想であり、生き方であり、メッセージだったからかもしれない。まさに日本人の心の有り様を示していたと思う。オリンピック開催前に話題になり、利休も大事にしていた「おもてなし」。しかし、おもてなしを本当の意味で理解しているだろうか?

利休のおもてなしは「水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、仏にそなえ、人にもほどこし、吾も飲む。」特に奇を衒う事はなく、至ってシンプルだ。ここでポイントなのが、最後の吾も飲むというところだ。おもてなしというと相手に施す「利他」のイメージが強いが、実は自らもご利益を頂く「自利」がなければ、おもてなしにはならないとの事。互いに豊かになる事が本当のおもてなし、そこまで理解してる日本人は何人いるだろうか。

最後、千利休は自害して茶の湯で伝えたい事が最終的には何だったか、今となっては知る由もない。しかし、個人的には茶の湯を通して己の感受性を豊かにする、そんな風に感じる。感受性が豊かになれば物事に対して様々な捉え方が出来、深く知る事が出来る。そして、どんな環境であれ、人生を豊かにすることが出来る。いつの時代もそういう生き方が出来れば幸せだ。



日本人のこころの言葉 千利休
作者:熊倉 功夫
創元社

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