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書評_キャッチーな言葉はいらない__人を_惹きつける_話し方

【書評】キャッチーな言葉はいらない。『人を『惹きつける』話し方』
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Apple創設者スティーブ・ジョブズのような魅力的なスピーチって彼だからできるんじゃない? ってあきらめていないだろうか? 実はほんの少し考えて意識すれば人を惹きつける話し方ができるようになるのだ。
 
まず著者の経歴がおもしろい。大学卒業後フリーターに、その後劇団四季に入団。同時に気象予報士に合格。劇団四季では5年の長い下積み時代を経て8年目で主役に、演出家になるために退団するも仕事なく営業の業界へ飛び込む。営業で苦労するも劇団四季で学んだ経験を活かして、営業の極意を見出し営業成績を上げ、講演家となり、現在に至っている。おもしろすぎる。
ここで、経歴を聞いてもともと才能がある方だから、努力のできる方だから、と思ってはいけない。著者は挫折を繰り返しながら目標を定めそれを乗り越えてきたのだ。有言実行ではなく不言実行である。著者の紡ぐ言葉はこのような経歴から生み出されており、自分も挑戦してみようかな? と思わせるのである。
そもそも、話すときにだれを意識して話しているだろうか? 自分がどう伝えるか? になっていないだろうか? 話すときはスピーチであったとしても相手がいるものである。そのため、伝える話し方というより相手の立場に立った話し方が重要性であると述べる。
自分の知りえた情報を自分の立場で話していたら、相手はどう思うだろうか? いくら好奇心がある話題であっても途中で飽きてしまわないだろうか? 話している自分に酔ってはいないだろうか? 相手がどのように感じているのか、何を知りたいのか、それを観察しながら相手がイメージしやすいような話し方をすると、相手はおもしろいのである。
人を惹きつける話し方とは、カリスマ性を持って話せるようになるのではなく、相手がおもしろいと思わせる話し方ではないか。相手がおもしろいと思う話とは、相手が新しい知識を得て納得し理解しまた聞きたいと思った話である。そう、キャッチーな単語チョイスは不要なのである。自分なりに思う相手の立場に立った話し方、実践できる気しません? 本著はそう思わせてくれる本である。



人を「惹きつける」話し方
作者:佐藤 政樹
プレジデント社

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