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【書評】戦略・智慧・役立つ日常生活編6→指導者の一冊!人材登用!『「為政三部書」講義―中国古典「三事忠告」の行動指針』
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『為政三部書』(原題『三事忠告』)は、為政者の心構えを説いた名著として知られていますが、その内容は為政者だけでなく、指導者や経営者にも共通する価値ある教えが詰まっていると感じました。張養浩という原著者は、古代中国の地方長官、監察の責任者、そして中央政府の大臣などを歴任し、民生の安定に尽力し名臣としての評価を受けた人物です。その実体験をもとに、様々な教えが説かれており、自己啓発から危機管理、人材登用に至るまで多岐にわたる内容になっています。特に、本書で述べられている人材登用について興味深く思いましたので、述べたいと思います。

指導者(本書では宰相)として重要な仕事は、優れた人材を選び抜くことです。張養浩はその重要性を理解し、人材を見分ける際に3つの方法があると言っています。

【一、人々の意見を聞く
一、本人の行動を観察する
一、どんな人物を推薦したかを調べる】

指導者といえども不得意や認識不十分なところはあります。指導者は公事を優先させて、それを補ってくれる人材を必要とし登用しなければなりません。そして、指導者は優秀な人材をみつけても、自分の才能や弁舌を鼻にかけず協力を得なければなりません。逆に自分の能力をひけらかせば、相手から職務を妨害される可能性があるでしょう。もしくは、敢えて自分の能力をひけらかして、その人材の対応をみて判断をするのも良いでしょう。
 
本書は昔の教えでありながら、現代の指導者にも役立つ智慧が満ちています。特に変化の激しい現代社会において、危機管理やリーダーシップ、人材登用の重要性が増していますが、『為政三部書』の教えはそのような課題にも応えてくれるものと考えられ、おすすめの一冊です。



「為政三部書」講義 (PHP文庫)
作者:守屋洋
発売日:1989年8月1日
PHP研究所

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