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【Where the streets have no name 】について語りたい。

時々、あぁ、このフレーズは美しい。
そう思うときがあります。
そのフレーズの持つ意味というよりは
そこに連なっている言葉たちの持つ響きが
耳の奥のほうではじけて脳を揺らすような心地よい響き。
とは言ってもあくまでも自分の受け取り方の問題なので
誰もが美しいとは思わない。
ということはよくわかっています。
けれど美しいもの、心地の良いものは誰かに知らせたくなるものです。
自分のことのように誰かに知ってもらいたいものです。

世界にはこんなにも美しいものがあふれている。

そう声高々に叫んでみたくなるものです。
わたしがそう伝えたいのは、こちらです。

Where the streets have no name.

U2の歌のタイトルです。
U2のリードボーカルであるボノ。
彼のことをここで語るほどわたしはU2に精通はしていません。
好きなバンドの一つで、ボノが歌に込める想いを詳しくは知りませんが
わたしは彼の綴る言葉に時折、ひどく感動します。
すごく響いてきます。
そして、その歌詞に興味を持ち、調べて、なるほど。
なんてことがよくあります。

この歌の邦題は『約束の地』というそうです。
わたしが直訳すると
「名前のない通り」という場所
ということになりますかね。
でも自分としては「名もなき道で」と訳してみたいですかね。
乾燥した風が吹き、通りには砂ぼこりが舞い上がり、
人気のない白いくたびれたビルが両サイドに並び、その道の果てから朝日がゆっくりと昇って、自分を照らし、影がゆっくりと伸びていく。
音のない静かな時間。
すべてが終わり、そして新しい希望が芽生える瞬間。
そんな響きがこのフレーズにはあると思います。
わたしにはその情景がとても美しく見えるのです。

文法的に専門的なことを語るほど、英語を最近は勉強していないので
間違った検討違いなことを力説してしまうかもしれませんが
ある通りのことを歌いたかったら
The street.でいいんです。けれどその通りには名前がないのです。
なんとか通りという名がないのです。
The street doesn't have name.
けれどstreetsなんです。
あくまでもイメージですが複数形になると
なんとなく洗練された都会の道ではないように思います。
さらに、この道は1つの場所ではないのではとも思います。
また、not have name ではなくno name なところもしびれます。
あくまで、イメージですがただ、単に名前が無いのではなく、
名も無い状態である道。つまり名前をつけられていない道なのです。
おそらく他の道には名があるのでしょう。なぜ、この道には名がないのか。特定もせずただの道ならばa street で成立するはずなのに、
あえてthe をつけているとするならば、
この道は確かに在るのです。
ボノ自身の中で確かにそこだと言える道があるはずなのです。
だから、わたしにも見えてくるのです、その道が。
そして極めつけでWhereがついています。
ここでこの通りのイメージがぐんと広がるんです。
Where が頭にあるだけで
あっ、これはどこか場所のことなんだと言うのが一目瞭然なわけです。
どんな景色が広がるのかワクワクするのです。
もう、これは唸るしかないフレーズだと思います。

タイトルだけで熱く語ってしまいましたが
これは歌です。
なので、歌詞があり、曲があります。
この曲のイントロも好きです。
わたしには全く文章化できないのですが
テロテロテロテロと何か起き上がるような、
日の出のような高揚感があるのです。
わたしがどう語るよりも聴いていただくのが1番だと思います。
とにかく、何か希望が持てるような始まりなのです。
そしてボノの声が歌詞を紡いでいきます。
ボノの声はわたしの心に刺さります。
何か強いものを感じます。
わたしの好きな歌というのは大抵、聴いていて景色が広がります。
歌詞をなぞった情景ではなく
おそらくわたしの記憶の奥の情景と絡んで広がっていく世界。
その一端が見える歌があります。
小さい頃からなぜか想い描く世界があります。
この世界とは別な時間や歴史があって
そこで生きている人たちがいて…
消せたくても消えないわたしの中のもうひとつの記憶というのか
そこの部分のスイッチを押してくる歌。
この歌もそうです。
歌詞の内容は決して甘く優しいものではありません。
若さや葛藤、矛盾や苦しさが垣間見れる歌詞です。
しかし、そこに、否、そういう世界の底に希望というものを感じます。
何者でもなく、ただそこである。
地に足をつけて生きていける。
そんな世界があってもいいと思わせてくれるのです。
これはあくまでもわたしが歌から受けるイメージです。
ふとラジオから聴こえてきたこの歌。
耳に残るフレーズ。
そして、広がる世界。
誰が歌っていて、どんな歌詞なのか。
自然と調べてしまう。
そして、また、一人、感慨に更ける。
あまたある歌の1つではあるのですが
わたしはえらく感動を覚えました。
それで生活が変わるわけではありません。
心が救われたのだと思います。
自分の中にある苦しみやもがきとこの歌が重なったのかもしれません。

閉じ込められた心がほぐされて本来の場所へ戻るときわたしは柔らかい光が昇華されていくようなイメージを持ちます。
その瞬間の情景が美しいものだと感じます。

歌が始まり終わるまでの数分の間にある高揚感。そして終わった後の爽快感。
何度も繰り返してしまうフレーズ。
わたしはこの喜びを誰かと分かち合いたいと思ってしまうのです。
そして自分の中の表現したい衝動に駈られ、夜な夜な、綴るのです。

歌詞です。

I want to run, I want to hide
I want to tear down the walls that hold me inside
I wanna reach out and touch the flame 
Where the streets have no name
I want to feel sunlight on my face
I see that dust cloud disappear without trace 
I wanna take shelter from the poison rain
Where the streets have no name, oh oh
Where the streets have no name
Where the streets have no name
We're still building  then burning down love
Burning down love
And when I go there, I go there with you 
It's all I can do
The city's a flood
And our love turns to rust
We're beaten and blown by the wind
Trampled into dust
I'll show you a place 
High on the desert plain
Where the streets have no name, oh oh
Where the streets have no name 
Where the streets have no name
We're still building then burning down love
Burning down love
And when I go there, I go there with you
It's all I can do
Our love turns to rust 
We're beaten and blown by the wind
Blown by the wind
Oh and I see love
We're beaten and blown by the wind 
Blown by the wind
Oh, when I go there
I go there with you
It's all I can do

シンプルな言葉で綴られた世界は
美しいのかもしれません。
そんなことを思わせてくれるの歌です。

わたしもいつかたどり着きたい。
Where the streets have no name

あなたにも素敵なsongsが響きますように。
羊でした。

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