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めぐりめぐる幸せ

小3の子どもと一緒に、小樽の総合博物館に行った。

外の展示場に「アイアンホース号」っていう蒸気機関車があって、それに乗るためにたくさんの人が並んでいて、私も子どもと一緒に並んでいた。

車両は「一等車」と「三等車」の二両。
私たちは行きは一等車に乗ったんだけど、その時点でもうかなり満員だった。

で、4人掛けにファミリーが座っていて、隣に向かい合う一人掛けの座席があったの。
一つ空いてたから、子どもを座らせて、私はそばで立ってたんだけど、向かいの一人掛けに座ってたお兄さんが、「よかったらどうぞ」って声をかけてくれて、さっと席を譲ってくれたの。
お兄さんは、ファミリーの一員だったみたいで、4人掛けにぎゅっと詰めて座った。

すごく嬉しくて、私はありがたく座らせてもらってたんだけど、少し経って満員の車内にお母さんと2歳くらいの娘ちゃんがやってきた。

娘ちゃんは「だっこだっこ」で、お母さんもずっと抱っこしてるみたいだったから、「よかったらここ座りませんか?」って声をかけたんだけど、「いえいえ、せっかくお子さんと(向かいに)座ってるから」って辞退されて、もしかして座るの嫌なタイプの子なのかな(立って抱っこされたい子、うちもだったから)と思って、「じゃあ…」ってまた座ったんだけど、発車までまだ時間がありそうで、娘ちゃんは「だっこー」で、ママは優しく「走り出したら抱っこしようね」ってなだめてて、走り出して抱っこしてたら危ないかも……思って、おせっかいかもと思いつつもう一回「揺れたら危ないかもしれないから、よかったらどうぞ~」って言ったら、今度も「いえいえ……」っていう感じだったんだけど、最終的には娘ちゃんが座ってくれた!

本当はお母さんが膝に抱っこして座らせたかったみたいだけど、娘ちゃんひとりで座ってご満悦(笑)

そのお母さんの雰囲気がね、すごく優しくて、柔らかくて、癒されたんだよね。

娘ちゃんへの声掛けとか、雰囲気とか、すてきなママだなあと思って、駅について下りたら、後ろのほうで、そのママが違う車両に乗っていたお兄ちゃんとおばあちゃんと合流しながら「席を譲ってくださる方がいたの」と言っている声が聞こえた。

優しいママの様子があったかくて、ひとりで座っている娘ちゃんが可愛すぎて、それだけでもう癒しなのに、そんな風に誰かに伝えられるって素敵だなあと思った。

そして、自分がしたことって、いいことも悪いことも、めぐりめぐって自分に返ってくるっていうけど、目に見えて何も返ってこなくても、何かをした時点で、目に見えない何かは巡っているのかもしれないと思った。

嬉しい気持ちとか、あったかさとか、相手の笑顔とか、そういうのを受け取れたら、もうそれだけでお互いに幸せなのかもしれないな、と思う。

そして、それを思い出している時間もすごく幸せ。

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