ドロドロとキレイゴト。
先日『大名倒産』の映画を観てきた。
予約しようとwebでチェックしたら席は前日の時点でだいぶ空き空き。
ふーむと口コミ評価も見てみたけど、こちらもだいぶ微妙。
とはいえ。時代劇と神木くんは好き(笑)
母上も見たいと言うので、失敗してもまぁ良いだろうくらいの気持ちで観てきた。
そんな風にハードル下げてたからかもしれないけど、個人的にはすごくよかった。
なんだろ、心が洗われるというか。
ちょっとネタバレ含んでしまうけども。
とてもキレイゴトの世界。
悪役もいるけど、一見悪役のほとんどが善人。
武器がなければ戦争は起こらないの考え方。
そんな甘っちょろいことを、神木くん演じる殿は迷うことなく信じている。
なんて現実的でないのだろうと思う。
一見善人に見える悪人なんて山ほどいる。
キレイゴトがまかり通る世の中だったのなら、戦争なんてそもそも起こる訳がない。
人間はドロドロなのだ。
ドロドロの欲望の塊で、利己的で、本当の意味での善人なんてきっと僅かだ。
そんなもんだ。
そー思うから、そーゆードロドロを丁寧に描いている作品も好き。
人間の根幹に迫っている感じというか。
ドロドロ、、、だけれどもっていう。
その先にある何かを考えさせられるというか。
『怪物』とかもそんな感じ。
深い感情を抉られる。
一方で、そんなキレイゴトを信じたい自分もいるのだと思う。
だからすごく心が洗われた。
『キレイゴトも貫き通せば真実となる』
これは自分が昔描いた作品のセリフだったなと、ふと思い出す。
そーあれたらいいなと思う。
キレイゴトがまかり通る世の中であれと。
人間なんてドロドロだからこそ。
人間は愚かで醜いけど、それでも。
真っ直ぐに美しいものを持つのもまた、人間に他ならないと、思うから。
キレイゴトも言えない人間ではありたくない。
それを貫き通せる、強さを持っていたい。
ドロドロのあたしの心の中にもある、譲れないキレイなものもやっぱりあるから。
多分、、、きっと(笑)
たとえば、そう。
見返りなんかなくても、誰かの幸せを心から願う気持ちとか。
願わくば、みんな幸せであれと思う。
こんなドロドロの世の中だからこそ、正しいと思うことがまかり通らない世界だからこそ。
せめて願いだけは。