やっぱりやめた。断乳。
母乳育児は、想像以上にハードだった。母乳とミルクの混合で育てていたが、4ヶ月に入った頃には夜間をミルクだけにした。それでも子育てと家事に加えて1日6回ほどの母乳の負担は大きかった。母乳と一緒に、私のエネルギーも吸い取られている気がして、心身ともに疲れ果てた。
そこで、自分の体と心の健康がまずは大事だ!と断乳を決意。少しずつ回数を減らすことにした。
授乳回数を減らして気付かされたこと
まずは最初の3日間で1日に4回、次の3日間で1日2回程度に減らした。幸い乳腺炎になることもなく、赤ちゃんも母乳を求めずスムーズに進んだ。ミルクをあげればよいだけになり、体力回復を実感して心身ともに楽になった。明るい気持ちを取り戻し、それまで授乳のために多くのことをがんばって追われていたことに気づかされた。
例えば、看護師さんや助産師さんに母乳について相談すると、誰もが口を揃えて次のポイントを言う。
・水を1日2リットル飲む
・タンパク質や炭水化物の量を増やし、バランスの良い食事を食べる
・良質な睡眠をとる
簡単にまとめると「健康な生活を送りましょう!」ということなのだが、そもそもずっとヘロヘロで水や食事は十分にとれないし、赤ちゃんのお世話で細切れの睡眠。そんな中で「頑張ってコップ一杯でも水を飲むぞ…!」と意気込むことさえ精神的にもキツかった。
看護師さんからの急な断乳の提案
そんな折、断乳を開始して1週間ほどたった頃、助産師さんに相談した。「このまま進めても大丈夫でしょうか?」と尋ねると、「今から本格的に断乳を始めましょう」と提案され、乳汁分泌を止めるための保冷剤を差し出された。「これを胸に当てて冷やし、胸が張るのを防ぎます。三日間は続けてください。そしたら断乳できます」ということだった。
私は徐々に授乳回数を減らしていくものだと思っていたので、突然のことに戸惑った。赤ちゃんが母乳を飲む顔を最後に見れないまま終わりにしてしまうのが急に寂しくなり、「今すぐはやめておきます」とお返事した。
突然起きた母乳拒否
そしてその日の夜、まさかの母乳拒否。顔を真っ赤にして口を限界まで開けてギャーギャーと泣く姿。右側の母乳を左に変えても、口すらつけようとせずにひたすら泣く。赤ちゃんがお腹が空いたと泣いているのにあげられない。すごい切ない気持ちになってしまった。「ごめんね、すぐミルクをあげるから」とショックを抑えながら調乳した。
授乳に自分らしさを
できたてのミルクを飲ませながら、まだ私は母乳をあげたいんだな、赤ちゃんが目を閉じて心地良さそうに飲む姿が好きなんだなと気がついた。母乳拒否は幸いなことにそのとき以降はなく、ホッと一安心。
最終的に1日3回、朝昼晩を母乳を続けることにした。それまでは母乳の間は疲れた…という気持ちが大きかったけれど、回数が減ったおかげで、赤ちゃんの可愛い飲み顔を見ながらゆっくりと接することができるようになった。
母乳をあげるのは長くても保育園に入るまでと決めているのであと数ヶ月。がんばるのをやめたことで余裕ができ、やっと自分らしいと思える授乳をしている。