AGIの夜明けに寄せて 要約
「Thoughts on the eve of AGI」(AGIの夜明けに寄せて)の要約です。AGIとは、特定のタスクに特化した従来のAIとは異なり、人間のように幅広いタスクを柔軟にこなせる人工知能を指します。
内容を一行で要約すると「ChatGPT o3はすごいよ。2025年には大きな変化が起こるかもね。」です。
1. o3の進化の驚異的なスピード
驚くべきは、これがたった2ヶ月で起こったことです。大学レベルのAIから博士レベルのAIになるまでの変化が、これほど速いとは。
2. 次に何が起こるのか?
o3は、報酬関数を定義できるものを最適化するのが非常に得意です。しかし、数学やコーディングは比較的簡単に報酬関数を設計できますが、小説の執筆などは難しいです。
短期的には(1年以内)、数学やコーディング、一般的な推論ではほぼAGIレベルになる一方で、創作は平凡なまま。長期的には(1~3年)、感情データや感覚データなど新しい領域を追加して盲点を修正し、誰の目にも明らかなAGIとなるでしょう。
3. 2025年にはエージェントが登場する
o3のようなモデルがブラウザやアプリをナビゲートし、行動を起こす能力を持たないわけがありません。これを実現する報酬モデルの設計は簡単で、市場規模も大きいです。
2025年12月までには、ウェブページやアプリを操作してデータを移動するようなワークフローをコンピュータに指示できるようになると予想します。
4. 数学者たちは「最初に淘汰される」知識労働者かもしれない
数学は記号的空間で行われる作業であり、物理的な世界にほとんど依存しません。そのため、記号的空間の王であるo3にとって非常に得意な領域です。
数学者が人類の知能の頂点でいられるのはあと700日程度と予測します。これが狂気のように聞こえるのは分かっていますが、それ以上に数学でAIが人間に勝てないという考えのほうが非現実的です。
5. ソフトウェアエンジニアはどうなる?
短期的には天国のような状況になります。すべてのソフトウェアエンジニアが「リードエンジニア」に昇格するようなものです。
2025年末までに、明確な仕様のプログラミングは、o4システム(o3の次のバージョン)がほぼエラーなしで処理できるようになるでしょう。ただし、組織のニーズや人間関係といった「文脈」を必要とする作業は、まだ人間の領域です。
長期的には、ソフトウェアエンジニアリングは完全に異なるものになるでしょう。
6. 物理労働者にはAIはどう影響する?
AIは物理労働にも影響を及ぼしますが、物理的な世界には重力や摩擦があるため進展は遅いです。ロボティクスの進展にはまだ数年かかるでしょう。ただし、ロボットがロボットを作り始め、AIがAI研究を行うようになれば、進展は加速するでしょう。
7. 計算能力とAI開発の競争
AI開発は計算能力に大きく依存しており、スーパーコンピューターの構築競争が激化しています。OpenAIのoクラスモデルは、演算能力を増やせば成果が確実に向上するため、大規模な投資を正当化する明確な理由を提供しています。
8. 今後10年で期待すること
驚くべき物理学の発見
火星や月の基地建設(ロボットが主導)
すべてにおいて完璧なチューター/アドバイザー
副作用ゼロの生物学的向上薬
超最適化されたドローンでの移動
融合エネルギーや地熱、太陽光を活用したクリーンエネルギー
AIが天文学データからエイリアンの信号を発見する? 室温超伝導体を設計する? 数学的難問を解く?
これらはもはや空想科学ではなく、現実的な未来に見えます。
9. 最後に
この未来が素晴らしいものになるか、悲惨なものになるかは、私たち次第です。AIラボの研究者たちは、すでに既定路線を進んでいるだけ。未来を形作るのは、私たちの公共の意識、政策、社会の安定、国際的な協力です。
それぞれができることを通じて、この激動の時代を乗り切り、素晴らしい未来を築く手助けをしていきましょう。