Rain
2024年3月12日の話。
朝、起きてみると雨が降っていた。
雨はまだまだ弱くて、別にいつも通り、自転車で登校することもできたけれど、夜には嵐が来るようで、学校に間に合うギリギリの時間のバスに飛び乗った。
バス停から、一人で学校まで歩く。
好きなバンドのライブの音源を聴きながら、変わり続ける曲のテンポに合わせて、ゆっくり歩いたり、跳ねるように歩いたり。
そのまま、学校について、授業を受けて、部活に行って。
ずっと屋内にいたから、いつ雨が強くなったのかは気づかなかったのだけれども、
部活をしていた特別教室から見えるグラウンドは、雨でぐっしょりと濡れていて、きっと5cmくらいの水深が被さっていた。
空を見上げてみると、なぜかとても明るくて。
あれだけ空が泣いてると言うのに、
その色は憎たらしいまでに美しく、青く、深く。
みるみるうちに、黒が空を覆っていったから、その美しい色が見れたのは、ほんの5分くらいであったけれど。
その空の色が、未だに心に残って消えない。