Eighteen
大人になんてなりたくない。
だけど、そんな気持ちを他所にして、
大人になる前に羽を失くす前に飛ぶことができなかった私は
成人を迎えた。
昔の私は、18歳ってもっと大人だと思ってたけど、やっぱり年齢ってただの数字で、私はまだまだ子供だ。
成人年齢が下がった分、大人の基準が不明瞭で希薄になっている気がする。
私が大人になりたくなかった一番の理由は、自分が何者にもなれないことを悟ってしまうからだ。
私の好きなアーティストさんの多くは、10代の頃にはもう、よくいる「普通の人」とは違った人生を送り始めていた。
願うなら、私だって特別な存在になりたかった。
他の誰にもないような才能で、誰かの人生を良い方向へと導くことのできるような、そういう人に。
完全に諦めたというわけではないけど、きっと難しいのだろうと、後ろ向きでいる。
そもそも、
「ほんの一握り」という世界で私が生き残れるわけがないのだ。
そんな世界に飛び込むことを許されるわけも。
自分の卑屈さに嫌気がさすけど、
そうでもしないと痛みに向き合うことができなくて。
優しくて、強くて。
自分と、自分の大切な人と物と事と、私を大切に思ってくれる人を最低限守れるような人になりたい。
そういう大人になれるとしたら、きっと、大人になったのも悪くなかったといつか思えるのだろう。