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〜空き地に花を咲かせましょう〜 古民家サポーター発プロジェクト「空き地チャレンジ! 」

4/30の総務省発表で全国の空き家数は900万戸、30年前から倍増し、そのうち賃貸用や売却用、別荘などに該当せず、使用目的のない物件が42.8%とのこと。

空き家や空き地のデメリットは街の景観を損ねたり不法投棄や犯罪の温床になりうるなど多岐に渡ります。

人口減少の時代にあって新築至上主義はもはや過去の話で(憧れのマイホームのロマンがあるのはわかりますが)、これからは中古物件をいかに流通させて活用していくかが重要かと思います。

空き家・空き地問題に取り組む「古民家サポーター」発足

そんな中、2023年に地域のまちづくりに取り組む不動産会社・株式会社情報都市さんと一緒に古民家サポーターというコミュニティをたちあげました。

これまでは泉佐野でもまちづくりに取り組む団体や個人の活動が活発でしたが、そうしたコミュニティは良くも悪くも意識が高く、ともすれば少し関わりづらいような空気感もあります。

しかし、冒頭で紹介したようにまちづくりの大きなテーマである空き家問題は深刻化するばかりで、一部の有志による活動だけではもはや追いつかないレベルといえます。

そんな中で、より広くひらけた市民参加型のまちづくりコミュニティとして、さまざまな角度から空き家問題を学び、活用を実践する場として古民家サポーターを組織しました。

第1回古民家サポーターオリエンテーション

これまでの活動としては、まず実際に古民家を活用している地域のまちづくり団体を見学し話を伺ったり、勉強会を開催して基本的な空き家の知識を学びました。

築150年の古民家を活用しまちづくりの拠点としている団体の見学
空き家の勉強会

そして、実践の機会としては情報都市さんが実際に自社で買い取って所有されている地域の空き地の見学ツアーを開催し、参加者と活用方法のアイデアを考えディスカッションしています。

空き地見学ツアー 地域の中には需要の低い土地もあり買い手・借り手がつかないケースも

ディスカッションを通じて、キッチンカーを用いた土地活用、農業体験など様々なアイデアが生まれました。地域特有の課題感を踏まえた上での議論ができ、有意義な会となりました。

その中から生まれたアイデアとして、花畑として活用するというものがあり、それが「空き地チャレンジ」としてプロジェクト化しました。

空き地チャレンジ

空き地チャレンジは借りて買い手がつかず長くそのままになっている空き地をコスモス畑にすることでさまざまな展開を生み出す社会実験です。

情報都市さんが地域で買い取った土地では、年に数回草刈りをされているなどしっかり管理をされていますが、中にはどうしても雑草が伸びたりゴミを捨てられてしまう問題も発生していました。

また周辺の道が狭く、小さい土地などはあまり需要が高くなく、遊ばせてしまうということが往々にして起きています。

建物をたてる以外に、実際の地域のニーズにあった活用方法(花畑、家庭菜園など)が見出せれば所有者も使う側もwinwinになるものということからプロジェクト化しました。

実際の空き地チャレンジの初拠点 やはり雑草やゴミの問題がありました

花畑から注目が集まり今後使われていない空き地での暫定利用でのチャレンジャーが見つかったり、買い手・借り手がつけば課題解決につながると考えています。

ゴミが捨てられる空き地より綺麗な花畑になる方が街の景観的にも良いので三方よしの成果を期待するところです。

空き地チャレンジでコスモス畑づくりへ!

そうして今年4月に古民家サポーターの活動として、空き地でコスモスを植えてみました。

なぜコスモスかというと、荒地でも強く咲くということで選びました。実際にこの活動を地域で広げていく上であまりに手間やコストがかかるようでは難しいので、「頑張りすぎない」ことをポイントにしています。

まずはゴミや大きな石、瓦礫を除いて草むしり
畝づくり
種まき ほとんど肥料も加えていません
完成!あとは咲くのをまつまで

活動からの変化

荒れていた土地で作業をしていると近隣の方によく声をかけられます。
「ここよくゴミ捨てられるねん」「うちの横の空き家も落書きされたりしてるわ」などなど。色々な情報を耳にします。

取り組みの直後では、まだ見た目が更地(あまり畑っぽくしていないため)になっただけなので変わらずゴミが捨てられていたり今度は綺麗になって入りやすくなったのか車が乗り入れてきたりと変化がありませんでした

しかし、「空き地チャレンジ!」のポスターを掲示してからは明らかに変化が見え始め、ゴミ捨てがなくなったり、作業中に近所の方(主におじいちゃんおばあちゃん)が「また車とか停められそうになったら声かけとくな〜」「花咲くの楽しみやな!」と協力したり応援してくれるように!

放置されていると見られる場所にはどんどん悪い事が起こってしまう、いわゆる「割れ窓理論」の実例が地域でも散見されますが、

要は実際に人の手が加わっていて、現在も使われているという様子をいかに見せるかが大事なのだと思います。

「空き地に花を植えよう〜」なんてはたから見ると牧歌的すぎて笑われそうな取り組みかもしれませんが、たかがコスモス、されどコスモスで、面白い展開につながるのではと確かな手応えを感じています。

これからの変化、展開に大いに期待しています。

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