Asakusa_Sensoji
東京を1日で回ろうなんて無謀だった。忘れていた、東京がとてつもなく巨大だってこと。コリアンタウン、原宿、そして、浅草に着いた頃にはもう夕方だった。
それでも境内にはまだたくさんの観光客と、高いビルに囲まれた東京では稀に見るひらけたオレンジがかった空には、蝉の声が響きわたっていた。
きっと自分が日本に住んでいたらなかなか足を運ばないであろう場所。そこにあるのが当たり前すぎるとそれはどんどん透明度を増して、透き通って、いつしかスーッと視界から消えていってしまう。
夜は海鮮焼き居酒屋で食べることにした。「大漁」と書かれた大きいド派手な黄色い絵を背に、各テーブルにはA4サイズのグリルコンロが所狭しと置かれていて、自分たちで焼いて食べるという楽しい店だった。談話の合間に焦げないように何度かひっくり返して、おいしくなるのを待つ。焼けたのまだ焼けないだの、どの席でも皆肩を寄せ合って調理に勤しんでいるのが微笑ましかった。ホタテにイカにホッケにと、普段なかなか食べられない魚介類をお腹いっぱいになるまで食べた。
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