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【第2回】この実話ものは学びが深い!『アグリー・デリシャス:極上の”食”』物語』(Netflix)

どうも。映画と海外テレビシリーズばかり観ているだだの会社員キャサリンです。皆様、ゴールデンウイークいかがお過ごしでしょうか。私はカレンダー通り10連休なんですが、普段からあまり旅行とか行かないタイプなのもあり、完全にノープランです。どうしたもんか・・・。ここぞとばかりに映画を海外テレビシリーズを観て、本屋に入り浸り、美術館に入り浸りするような10日間になるのかな・・・と思っています。すでに2日目過ぎて、やることなさすぎてむしろ仕事したいです(笑)10連休もいいですが、毎週水曜日休み、とかのほうが肌に合うのかもです。

さて、今回はフォローさんからのリクエストで先月より始めたシリーズの第2回です(前回はこちら)。お休み期間中の方も、そうでない方にもぜひお時間あれば観ていただきたいNetflixオリジナルドキュメンタリーシリーズをご紹介。

『アグリー・デリシャス:極上の”食”』物語』(Netflix) 

食についてのドキュメンタリーシリーズです。シーズン2も現在製作中のこちらのドキュメンタリーは、キャサリン的昨年の「海外テレビシリーズランキング」で42作品中7位に入れた、大好きな作品です。

Netflixは食のドキュメンタリーやバラエティ番組が充実してる
Netflixユーザーの方であれば、お気づきの方も多いかもしれませんが、Netflixは食べ物系の番組が結構多いです。映画、テレビシリーズ、いろいろ充実してます。ハイクラスのレストランを追うドキュメンタリー、世界のストリートフードを特集する番組、お菓子作りが下手な人たちが全力でお料理バトルする番組、大麻入り料理を料理の鉄人的にやる番組(笑)などなど・・・。今、AmazonやHuluなどなどストリーミングサービスがどんどん台頭する中で、Netflixの特徴ともいえる側面です。

この理由として、コメディ&ドキュメンタリー部門のボスであるリサ・ニシムラさんは、インタビューで「食べるということは人間の共通の体験、国を超えて共感できるはず」的なことをおっしゃっています。そうして、まだNetflixが今ほどの勢いをつける前から、他の会社では力を入れないであろう食の番組に力を入れ、世界同時配信というNetflixの強みを生かし「シェフのテーブル」という番組は一躍脚光を浴びました。


そして「シェフのテーブル」の成功後、2018年以降、特にオリジナル作品の配信数をガンガン増やしているNetflixは、ドキュメンタリーシリーズやバラエティ番組に注力。そんな中で食の番組も多様性を持ち、なじみのある庶民の目線から食にアプローチする番組が生まれました。それが今回紹介する番組です。韓国系アメリカ人であり、料理人として、そしてレストランオーナーとして成功しているデヴィッド・チャンをナビゲーターに、アメリカで人気の食を通して、カルチャーと社会問題を考えるのが「アグリー・デリシャス」です。先ほどのリサ・ニシムラさんもエグゼクティブプロデューサーとして製作にかかわっています。

ソウルフードは人生の一部
自分の生まれた土地のソウルフードって何だろうな~と考えたんですが、博多出身の私としてはうどんです。ラーメンっていうイメージがある方も多いと思いますが、福岡はうどん発祥の地です。讃岐うどんとかと違って、コシのない柔らかい麺が特徴です。これもまた、北九州で人気のうどん屋さんと、博多で人気のうどん屋さんが、チェーン店でも違ったりします。まさにその土地に根差しているからこそ、という感じがします。人がいるところに食があり、食があるところに人がいます。「アグリー・デリシャス」では、ピザに始まり、中華料理に至るまで、アメリカでポピュラーであり、様々なルーツで発展した食に着目。今では当たり前のように愛されている、その歴史に迫ります。

この番組の偉いところは、チェーン店なんかもちゃんと盛り込んでいるところ。ピザの回では、チェーン店のピザはクソだ!という派と、いやチェーン店のピザもいいよ!というデヴィッドのやり取りがとても興味深いです。それは、自分の人生の中で欠かせなかったり、そのフードを通しての思い出もあるからかなと思います。

食から見える社会問題
アメリカで移民二世として生きるデヴィッドの目線で進む中で、彼の信念として食を通して人と人が分かり合える道を探求するシーンが多くあるのですが(それがこの番組の大きなテーマでもある)、その中で語られる問題について、私は全然知らなかったです。

今年のアカデミー賞作品賞映画「グリーンブック」で出てくるフライドチキンの話なんかは、本ドキュメンタリーを観ててよかったなと思うほど、私は無知でした。人種差別問題の歴史的な背景があるとはつゆ知らず。また、アメリカ人がタコスが好きって言うのも、何となく知ってましたが、そんなに店があるんだ!とびっくりでしたし、何よりトランプ大統領の時代になり移民排斥の世の中になる中、それでも移民発のソウルフードは愛され続けています。その実情にも、きっとこの番組から考えられることがリンクするかもしれないな、と思います。余談ですが、Netflixオリジナルコメディの「トレバー・ノア:僕はパトリシアの息子」で、トレバーがジョークで以下のように言っています。

移民が嫌いなら、スパイスを使っちゃだめだよ。メキシコ料理も、カリビアン料理もダメ!ポテトだけ!(笑)

つまり、移民料理がないと、アメリカ人は生きていけないレベル、それくらい根付いている移民文化。そして、人種差別を背景に今も愛されるアメリカのソウルフード。日本でもおなじみの料理を通して、国が違えばこんなに見え方が違うんだと毎回驚きました。

デヴィッド・チャンという人
シリーズを通して、彼は「きっと間違いなく努力の人だな」と思うくらい、探求心が凄く、とにかく食を愛しています。めっちゃおいしそうに食べるし、どうやったらもっと多くの人に知ってもらえるか、もっと多くの人に愛してもらえるか、そして料理人として社会にできることは何かという彼が持つ課題に対して、ものすごく貪欲です。

たびたび日本が登場しますが(おそらく最近撮影で来日してたようなので、シーズン2でもまた登場するかも)、そこでも興味津々に相手の話を聞く姿は、自分もまねしたいなと思うほどでした。彼は、韓国系の2世としてアメリカで生まれ、料理を学びに日本に滞在したこともあります。彼の語り口では、決して楽しい思い出ばかりではなかった東京滞在だったようですが、それでも東京が嫌いというわけではなく、やはり、そこには食を通して過ごした彼の人生の思い出があるからこそ、何度も訪れているのだろうと思います。アメリカでは韓国系としてのアイデンティティを持つも、韓国に行っても韓国人とは言われない現実。そんな、彼から見る、アジア料理への愛と可能性は、とっても温かく、かつ今後何か起きるのではないかという期待もちょっとしちゃいます。ちょっと頑固な面もあるけれど、それも含めて、庶民的な飾らないデヴィッドだからこそ、共感できる気がします。

答えが出ないからこそ
この番組は、観れば答えが出る、そういうコンセプトではありません。ソウルフードを通して今を生きる人たちが、今目の前にしている課題を一緒に考える、そういう番組です。家族のこと、自分のこと、社会のこと・・・それぞれ何層にも重なって途方に暮れるくらい壮大な課題ばかりが目の前にある気がするけれど、ふと自分が大好きなあったかい料理が目の前に来ると、やっぱり笑顔になるし、次への希望もちょっと見えてくる気さえします。腹が減っては戦はできぬとか言いますが、普段何気なく過ごしている、でも人間にとって欠かせない行為である「食」を、説教臭くなく、どちらかというとライトにポップに語る感じがとても楽しい番組でもあります。シーズン2はインドに撮影に行っているみたいなので、多分今度はカレーとかを特集するのかな?と思うと待ちどおしいです!



ということで、本編はここまで。最後にちょっと宣伝です。私のTwitterアカウントにて、近々「Netflixオリジナル作品の同時視聴」のお知らせと、(博多近辺在住の方にはなりますが)「Netflixファンの集い」のお知らせを流します。良ければフォローいただけると嬉しいです。普段こういう企画事は全くしないんですが、趣味友を増やしたいのもあり、今年は外に出ていこうと思いまして(笑)ということで、ご参加お待ちしてます!!


ではではまた次回!

よろしければサポートを何卒…!貯まったら親とおいしいご飯に行こうと思います。