[自民党総裁選候補比較4]石破茂氏の魅力とは?正体は超一流の経済評論家?デフレ脱却への当事者意識は如何に?
自民党総裁選候補としてマスメディアがダントツで注目している候補が2名います。石破茂氏と小泉進次郎氏です。
前回記事までの私の分析では2名共に注目すべき候補には見えていません。2名共に経済政策においては存在感を示していないようです。
次期総裁の重要性
支持率では低迷したものの、岸田政権は、デフレからの脱却に一筋の光が差し込んでくるまでに誘導しました。「日本経済」を飛行機に例えると、離陸すべくを激しく振動しながら滑走し、あと少しで離陸しようかという状況です。これは立派な成果です。
次の政権がスムーズにバトンを受け、エンジン燃料を適切に制御しながら供給すれば、take-offに成功し、安定飛行に移行することができます。
岸田首相としては誰かにバトンを渡すのでは無く、自分自身が安定飛行への誘導を担いたかったはずです。しかし、運悪く、操縦席を離れることになりました。
その「運の悪さ」が岸田首相個人だけのものになるのか、1億の日本国民が共有するものになるのか、この次期総裁選に掛かっています。
意地でも安定飛行に持っていく気概と覚悟、経済知見・洞察力、リーダーシップのある候補が選ばれるかどうか。
結果次第では、日本経済はようやく安定航行を取り戻します。あるいは再び墜落の憂き目を見ることになります。
そんな大切な役割を次期総裁が担うわけですが、今のところ私の分析では、石破茂氏、小泉進次郎氏ともにその荷に耐えられるのか、不安な結果になっています。
石破茂氏の魅力とは?
長らく政界で存在感を示してきた石破氏ですが、私は彼の言葉に感銘を受けた記憶はありません。
また前回記事までの分析、これは私の主観を排除するもので、石破氏のこれまでの発言をchatGPTに入力し、石破氏の「日本経済成長戦略」「財政健全化」等に対する考え方をchatGPTにまとめさせ、分析しましたものです。
その結論も石破候補に前向きなものではありませんでした。
またつい最近、彼の「金融所得課税の強化」についての発言が話題を呼びましたが、概ねネガティブな反応に留まっています。「金融所得課税の強化」とはつまり増税ですし、株価下落を誘導するものですから、ポジティブな反応など普通は期待できません。5秒も考えれば気付きそうなものです。にも拘らず、そんな発言をしてしまう彼のセンスや緊張感の欠如が落胆を招くのは極めて自然です。
その石破氏ですが、これまでの調査では、多くの国民に支持されているようです。その理由は何でしょうか?chatGPTに下記の通りまとめてもらいました。
第1項と3項は政治家としての経歴・実績・実力を裏付けるもの、一方、第2項と4項は、彼が自民党を変革させうる未来への期待とみることができます。
別の言い方をすれば、第2項・4項は「既存の枠にはまらない政治家:石破茂」への期待です。選挙のたびに「変革」「刷新」という言葉が好まれて使われます。これは国民にある「既存政治への不満」の裏返しと見ることができます。「この不満を解消してくれる」可能性を非主流・一匹狼である石破氏に国民が期待しているものと思われます。
インタビュー動画から垣間見える石破氏の評論家的体質
石破氏の過去の実績は素晴らしいものと言っていいでしょう。一方、未来への期待はどの程度持てそうでしょうか?
下の動画は、つい数日前に公開された石破茂氏へのインタビューです。この動画の中で石破氏は(日本経済)成長戦略について以下のように述べています。
(1) GDPの54%を占める個人消費の拡大が経済成長のカギ
(2) 個人消費拡大には、物価上昇を超える賃金上昇が必須
その「賃金上昇」の実現シナリオについては、
(3) 賃金は、労働者と経営者間の交渉の結果決定されるもの
(4) 賃金交渉に政府が介入することは、(社会主義国ではなく)資本主義国である日本では不適切
と述べています。下の動画はこの発言[(3)(4)]のタイミングで始まります。
どうお感じになりますか?
インタビュアーは2度にわたって、食い下がるように、賃金上昇実現における(次期総理候補の)石破氏の役割を聞き出そうとしています。
しかし、石破氏は「もちろん政府は(賃上げを)お願いしますよ。必要な(賃上げを促す)税制も、必要であれば仕込みますよ。」と5秒ほど触れるにとどまっています。
つまり、
◆ 石破氏は、「日本の経済成長には『充分な賃金上昇実現』がカギになる」と考えるが、(次期総理)石破氏はその実現に(ほぼ)関与しない。
と述べているわけです。
確かに石破氏の主張は正論でしょう。そして「官製春闘」と揶揄された岸田政権のやり方は邪道なのでしょう。
しかしそれは、「政府・経済界の既存の教科書的役割分担」を「是」とした論理展開です。
しかし、日本はその役割分担のもと健全な経済成長を実現してきましたか?
数十年に渡ってデフレ脱却できなかった、これこそ事実ですよね?
偉大なる超一流評論家石破茂氏に敬意を表しながらも、次期総裁が石破氏になることは望ましい結果から遠ざかるような、嫌な予感を持っています。
いま求められているのは「正しい手続き」ではなく「望ましい結果」です。数十年もデフレ下で低迷し、経済劣等国に転落した日本にはスマートで正当な手続きに拘る余裕はありません。
PS:茂木敏充氏への期待
以上、今回はとてもネガティブな内容になってしまいました。
一方、昨日茂木敏充氏の総裁選立候補表明と記者会見がありました。私は非常に好感の持てる内容と思いました。
「半年以内に30年にわたるデフレからの脱却宣言をできる状況にする」
これは、はまさに次期総理がなすべき仕事です。
茂木氏が掲げた政策は今後の他の候補にとってもハードルを上げるポジティブな刺激になるものと評価できます。
しかしながら、その内容をネガティブに伝える報道もあるようです。関連して、追って、記事を書きたいと思っています。
今回の記事は以上です。
補足:
◇ 記事作成の一部でchat-GPTを利用しています。chat-GPTで作成した文章部分は画像データ化し、本文と区分しています。
◇ イラストはDALL-E(chat-GPT)を利用し作成しています。