『感想:「ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法」(アルテイシア著)』2023-10-30
以前に太田啓子氏の講演会をレビューしたことがあるが、私はフェミの講演会をよく聴講している。表現規制やキャンセルカルチャーに直接関係のあるものも、ないものもである。
今回はこんなイベントがあったので、参加登録しておいた(すでに第一回は参加済み)。
![](https://assets.st-note.com/img/1698571786957-6d0z5rvJXx.jpg)
「みんなが生きやすい社会になるジェンダーブックトーク」
画像が小さくて分かりにくいが、ある一冊のフェミ本について読書会や本人の講演会などを全3回で行うという盛りだくさんな内容である。
その本がこれだ。
我らがビジネスツイフェミ、アルイテイシアさんの著書である。
この本の存在を知った時には「ヘルジャパン」って紙の本の題名になるもんなんだ……と感動すら覚えたものだった。
ちなみにこのイベント、同書を読んでなくても参加OKのようなのだが、私は読んでから第一回に参加した。
![](https://assets.st-note.com/img/1698572454297-laz3TOkCVq.png?width=1200)
今回は、その第一回のレビューではなく、この本そのものの感想である。
一言でいうと、たいへん残念な本だ。
「いや、フェミニズムの本なんだから残念で当然だろう」「残念じゃないフェミ本があると思っているのか」という冷笑的意見が親愛なるアンフェ諸氏から出るのは分かるし、私もかなり同意である。
おそらくこの本が最も言いたいことは、
ネットで論破されているフェミニズムは、アンフェが勝手に作ったフェミニズムの虚像!本当は違うの!
ということだ。
それは「はじめに」の末尾に彼女が書いていることで分かる。
中高生にジェンダーの授業をすると「フェミニストのイメージが変わりました」という感想をよくもらう。
「ツイッターやYouTubeを見て”男嫌いでオタク嫌いのツイフェミ”というイメージを持ってました。でもリアルで話を聞いてみて、自分もフェミニストだったと気づきました」
この「はじめに」の主張をはじめに、本書の随所に「フェミニズムに偏見を持っていたが、実情を知って全然違うと分かった」とフェミニズムを見直すストーリーが出てくる。
最初の章の架空対談(ここは私が勝手に邪推して架空と言っているのではなく、本の中でそのように明かされている対談形式の文章である)に登場する「モブおじ」から、最終盤で彼女の薫陶を受けた男子高校生に至るまで、いろいろな人物がそのように「改心」したことになっているのだ。
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