『"食い尽くし系夫"は現代妖怪なのか?』2025-01-31
「食い尽くし系夫」という言葉が論争になっている。
ネット上で女性が投稿する「自分のパートナー男性についての愚痴」に登場する人物の累計で、複数人のために用意された食べものを勝手に食べ切ってしまう悪癖を持つ男性のことである。
少し前まで、ネットの空気は「へーそんな人がおるんかー」程度にその存在を考えてきたように思う。
しかし、ここ最近にわかにそれに疑いを持つ人が増えてきた。
おそらく「草津町長冤罪事件」をはじめとする性犯罪冤罪事件の問題、ネットでひっきりなしに発覚する女性の性被害・性差別嘘松の影響……これらのせいで女性の言い分を「疑う」ことがもはや、思考の習慣のようになってきている人間が増えてきたということだろう。
今回の「火元」はこの漫画であったようだ。
何話もあるのだが、Xで話題になっているのはほぼほぼ冒頭の第一回のみである。
漫画作品というより、エッセイの挿絵に近い形で文章に挟まっている形式なのだが、とりあえず漫画部分だけ抜き出して引用してみよう。
一読して明らかにおかしいことが分かる。
夫の食欲が、ではなく、妻(作者)側の行動が、である。
子供たちの年齢は明記がないが、絵を見る限りおそらくお姉ちゃんと思われるほうは、小学校中学年程度にはなっていると思われる。ということは、この妻は「食い尽くし系」夫と少なくとも10年程度は生活を共にしているはずである。
にもかかわらず、夫の「食い尽くし」をまるで初めて見たかのように愕然としている。あまりに不自然だ。
それにしても、なぜ彼女は、このときのメニューである餃子を食い尽くしている夫を制止しなかったのか。
それは、フライパンを洗っていたからである。
文章部分によればこうだ。
彼女は「いつも」遅れて食卓についていることになる。その理由は「私は洗い物を溜め込むのがすごく嫌なタイプ。」という特に合理性のないこだわりで説明づけられている。つまり説明がついていない。
要するに彼女は「放っておけば食事を全部食べてしまう男性」の前に、毎回毎回食事を置いて放置した状態をつくり出したたうえで、わざわざ洗い物をするために席を外し、その結果自分の食事まで食べ尽くされる……という生活を10年間繰り返したあげく、まるで初めての体験のように「なんで!?ナンデ」と驚愕しているわけだ。
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