『「ニコ☆プチ」溺愛ロワイヤル検証』2023-07-05
本当は太田啓子氏の講演会レビューについて書こうと思っていたのだが、急遽こちらを書くことにした。
7月1日、とある小学生の母親だというアカウントがこのような投稿をしていたのがバズっていた。
まあ「稀によくある」というやつか、いわゆる愚かな過干渉系の毒母のようである。彼女のツイートで引用されている画像の漫画は八神千歳作『溺愛ロワイヤル』。
大筋はこんな話らしい。
母親のツイートでは「エッチ」という言葉が強調され、押し倒されたような構図になっていることから、さもこの後の場面が性行為のシーンであり、追従者たちも加わって「レイプがロマンチックに肯定されている」かのようにミスリードされている。
そもそもフィクションの漫画に、仮に本当に強姦が描かれていたところで、別に問題はない。それ以上の重罪(たとえば殺人や放火)であっても、漫画をはじめフィクションにはいくらでも描かれている。
そのことは大前提として、しかしそれ以前に、そもそもこの漫画の実際の展開は、彼らのツイートから受ける印象とは大幅に異なっていたという情報が出てきているのだ。
さて、実際はどうなのだろうか。
私自身も購入して内容を確認したが、ゴミ氏やおりちゃん氏の言っているとおりであった。
この場面につながる台詞から書き出してみよう(「姫」がヒロイン、「男1」が例のシーンの男である)。
作中で不同意性交罪など行われておらず、なんならそうしようともされていない。「エッチ」というのは、ヒロインの水着姿についての他愛ないトークの流れで出てきた、普通に「エッチな人」「エッチな気分」という精神的な意味に過ぎず、別に性行為そのものを指して言っているわけでもない。
またキスにしても同意なくしていいなどとヒロインも誰も言っているわけでもない。
何歳であろうと、この程度のシーンを見たところで何の悪影響があろうか、としか思えない。
そしてゴミ・オリちゃん両氏が指摘しているとおり、このあと男2ともう一人の男が助けに来る。
えーっと。
要するにこの男の子たち、#ActiveBystander(行動する傍観者たち)ですよね?
ActiveBystanderとは、性加害に対して憤り、いつでもどこでも無関係の女性を助けてくれる男性たちのことらしい。
詳しくはこの「【性教育YouTuber】シオリーヌ」による動画を見ていただこう。
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