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『善とフェミニズムは、なぜ両立しないのか(3)』2022-07-28
(前回の続き)
このように弱者憎悪を本音とするフェミニストにとって「敵としての弱者」である”オタク”や”おっさん”だけではなく、「私たちに救われる、私たちの引き立て役としての弱者」である人々もまた、心からの包摂や仲間意識の対象ではありえない。
フェミニストはこう言い張る。
「AV出演被害からポルノ女優を救ってあげよう!」
「グリッドガール(昔風にいうと、レースクイーン)を性的消費から救ってあげよう!」
「萌え絵による性的消費から救ってあげよう!」
しかし当事者女性――AV女優や、グリッドガールや、萌え絵の女性作家やファン――にとって、それはもちろん「ありがたいお話」ではなく、余計なお世話でしかない。
だが、決して彼女らがそれに耳を貸すことはない。
弱者は自分の運動の美化あるいは正当化のための単なる道具であり、本心からその権利や利益のために動くことはフェミニズムにはないからだ。
この現象は、実際の女性による規制反対運動に対する女性への反応にも観測されている。典型的にはAV新法だ。
実際に5/26のセックスワーカー側の院内集会の時には、懇意の議員さんに出席をお願いしても「女性支持者の反感を買うので出られない、と言われた」という話が出ていました。
— HitoShinka -ヒトシンカ-@文筆業/『センサイクロペディア』編纂・『シンカ論』連載中 (@hitoshinka) June 15, 2022
女性による性産業への差別意識はすさまじい。 https://t.co/8mzTT91KW6
メンツもあるだろうに、謝罪してくれたことは私の心に強く残ってる。 https://t.co/zZTZQ01uY9
— 月島さくら✿ #適正AVを守る (@sakuratsukisima) July 23, 2022
![](https://assets.st-note.com/img/1658860933525-Lnkh2KGduc.png)
当然であろう。
AV新法は被害に遭っている女性を救うものです!と言われ、本気にして賛同した男性議員たちには、実はそうではなかったと知って謝罪し、改正への協力に動いてくれている人もいる。
しかしフェミニスト女性からすれば「(社会的差別を受けている”下等な”職業である)AV女優など私の道具でしかないはずなのに、そんな下位カースト女が畏れ多くもこの私に逆らった」ということでしかないのだ。
「弱者を”単なる”道具として自分の利益のためだけに利用する」
これがフェミニスト女性の基本姿勢だ。
この、人によっては悪そのものの定義とさえ見なされるような態度。それが常に、フェミニストの性表現批判にはつきまとうのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1658859513624-pUItXLCvYf.png)
女性の性嫌悪は弱者嫌悪。
ゆえに「性嫌悪の正当化に用いられる弱者も、実は切り捨ての対象」。
フェミニズムに頻発する【女の敵は女】現象はこうして発生する。
なぜ女性一般ではなく、特にフェミニストにこのような弊害が重篤に見られるのかについては、そういう女性がフェミニズムに集まりやすいという点を説明した。
負の性欲が強いということは弱者嫌悪が強いということであり、すなわち弱者に対して冷酷で道具としてしか扱わない者ばかりが集まる。
しかしこの選別は、フェミニズムに入る段階でだけ行われるのではない。
フェミニズムは「キャンセルカルチャー」と融合することで、常に悪人だけがコミュニティに残るための「再テスト」を繰り返しているのだ。
フェミニストが起こした「炎上」のさなかに、もしも途中で 「この人は悪くないんじゃない?」「さすがに言いすぎだよ」と思った人がいたとしたらどうだろう?
そんなことを口に出した人間は、もしフェミニズムの内部にいれば御存知の通り内ゲバリンチで潰されるか、運が良くてもその集団から抜け出すことになる。そしてフェミニズムの外からそれを目撃した理性的な女性は、言うまでもなくフェミニズム集団の恐ろしさを知り、距離を取ることになる。
そのような再テスト・再踏み絵がすべての炎上ケースで行われる。
それを無数に繰り返した結果、どんなに罪もない相手を、どれほど深く傷つけようと、一度たりとも同情も罪悪感も感じる事の無かったという「全地球人類よりすぐりのクズ中のクズ」だけがフェミニズムというコミュニティの中に生き残るのだ。
だがもうひとつ、さらに重要な論点がある。
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