『ある”女性用スペース”の終焉』2022-06-29
「女性の被害者ぶり」による、ネット世論の暴走が人のビジネスに悪影響を与える事案が頻発している。AV新法はその最たるものだが、いわゆる萌え広告に対するフェミニズムの言い掛かりも後を絶たない。
海外でも、ハリウッドスターのジョニー・デップ氏が元奥さんにDV告発をされ、無実を示した勝訴は世界的ニュースとなった。しかしこの事件のせいで氏は幾つもの仕事から降板を余儀なくされている。
最新の話題である「元舞妓さんの告発ツイート」も、真贋論争がかまびすしい状態だ。
今回は少し前のとある「女性の被害申告事例」を検証してみよう。
おそらく、これ以上総合的にこの事例に突っ込んだサイトはまだない。
話は、今年の2月にさかのぼる。
筆者が大学時代を過ごした、第二の故郷的な郷愁を抱いている仙台市で、ひとつの店が閉鎖したらしいというニュースが、ツイッターのTLに流れて来た。
libre仙台(libreの頭文字はアカウント名は小文字、公式サイトでは大文字になっている)という漫画喫茶だ。女性専用のBL漫画喫茶らしい。
……「普通の漫画喫茶」って、そんなに人目を気にしながら危険で不自由な時間を過ごす場所だったろうか?
もちろん行った事はない。そもそも去年の7月にオープンしたばかりで、私が仙台を離れた遥か後の話である。つまり半年ちょっとで潰れてしまったということになる。というかそもそも女性専用なので行こうとしたとしても入れなかったわけである。
しかし、問題は閉店を知らせるこの文面である。
いかにも「変質者が『女の園』に入り込もうとしたのでやむを得ず閉店しました。私は被害者です」という雰囲気を作り出そうとしているのがありありと分かる。
実際、そのように受け取った人は多かった。
当時のフェミ松速報!にはこのニュースを読んだフェミニスト達が即座に書き殴った、男性に対する罵りの言葉が克明に記録されている。
……ところが、である。
2月28日の閉店ツイートには「急遽」とあるにもかかわらず、実は1月7日のものにはすでに閉店予定が書いてあった。そしてそこには「目的不明の男性の深夜訪問」などという怪しい事件は影も形も無い。
そもそも、本当にそんな奴がしょっちゅう来るのであれば、過去ツイートでもお客様への注意喚起などがありそうなものだが、この店のIDと「深夜」「夜中」「訪問」「目的」「注意」「出没」「警察」などそうした注意喚起に出て来そうなワードで検索しても、まったくそんな報告はないのである。
なお先に言っておくと、少し突っ込んだ話をしている掲示板まとめなどでは「普通に経営不振で潰れたのを男のせいにしてるだけ」説が有力である。
それを検証するためにも、そもそもこの「Libre仙台」とはどういう店だったのかを検証してみよう。
そもそもどういう店だったのか?
Libre仙台は、道路に直接面しておらず「オーロラビル」という雑居ビルの3階にあった。仙台市の中心部である仙台駅から徒歩10分の、見たところ無骨なビルだ。
どうやら大きなネットカフェなどとはイメージが違い、マンションの一室のようなタイプの部屋に本棚を置いて「漫画喫茶」としているようだ。
同じビルに入っている施設はカラオケ店のBIG ECHOがあるほか、バーやスナックが多く入っているようだ。
ビルの場所そのものはもちろん十分過ぎるくらいの市街地だが、このようなビルの中にある。そのため「どう考えてもフラッと漫喫見かけて入るようなところじゃない!変質者男の嫌がらせだ!」と、店主の「男のせいで閉店」発言を支持する人々は認定したいようである。
しかしそれはビルの外から「ふらっと見かけて」は入らないという話に過ぎない。中のバーなどの酔客が帰りに漫喫を見かけて、女性専用とは知らずに一休みしていくかと来客してしまう、ということは十分に起こりうるのではないだろうか。
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