『性的に見られてるなんて知りませんでした(棒』2024-08-28
昨年の水着撮影会事件、先般の制服・浴衣撮影会叩きに続いて、今度は子供を利用した撮影会叩きが始まっている。
Schooエバンジェリストの滝川麻衣子氏は「ジュニアモデル撮影会について調べたが正直かなり暗い気持ちになった。法整備も含めて『今はまだ不十分なんだ』と社会がまず認識すべきだ」として以下のように指摘した。
「子ども達には撮影者やSNSに上がった写真を見る人たちがどういう目で見ているのかを判断する十分な能力はまだなく、後に自分が撮影されている本当の意味を知った時に傷つく人が出てくると思う。(略)」
この「子供は自分が性的な目で見られていると知らない」という謎の前提は、表現規制派の立論にしばしば見られるものだ。
実際のところ、現代のポルノ業界では基本的に未成年の使用がタブーとなっている。それ以前にはロリコン・ブームなどというものがあったくらいで、しかもそれは元を正せば表現規制のせいで発祥していた。というのは、かつての警察は刑法175条による取締の基準を「陰毛が映っていたらアウト」としていた。その対策として「だったらそもそも陰毛なんて生えてない女優を使えばいいじゃないか!」となり、すなわち子どもを使うようになったのである。
ちなみに90年代に話題になった、篠山紀信による宮沢りえ写真集『サンタフェ』に代表される「ヘアヌード写真」なるものも、このタブーに挑戦していたからこそ物議を醸したのだ。
しかし、現代では児童保護の声の高まりから、ポルノに実在児童をモデルとして使うことはタブー視されている。2007年にバクシーシ山下が著わした【ひとはみな、ハダカになる。】には、すでに出演者は「18歳以上で、なおかつ高校を卒業した3月末日以降」でなければならない業界の慣習が成立していたことが述べられている。
さらには二次元のポルノの隆盛も大きい。
そういうわけで、AVをはじめとするポルノが児童からの性的な搾取(真の意味で)であるという批判は、実はとっくの昔に使えなくなっている。
しかし、「子どもが危ない」を盾に取った規制必要論は、90年代から実際に大きな成功(彼らにとって)をもたらしてきた。90年前後の有害図書規制と、2000年前後からの児童ポルノ法の成立と改正である。
当時の成功体験をなんとかもう一度味わいたい規制論者たちは、それが無効化された現在になっても、本来の性的搾取以外になんとか「子ども」を規制にこじつけようとしてきた。
そのために作られた神話のひとつが「子どもが『自分が性的に見られていると知って傷つく」というものである。
正確に言うと「自分が」ではない。
ポルノが存在することによって、「自分と同年代の女の子が性的に見られるものなのだ」ということを知ってしまい、少女たちは深く傷ついてしまう。だからそのようなポルノは存在してはならないのだ――
いやどういう理論?
小学校の頃を思い出していただきたい。
あなたは、あるいは同級生の女子たちは「エッチな」とか「いやらしい」という言葉の意味が分からなかったのだろうか。そんなはずはないだろう。
いわゆる思春期は8~9歳から17~18歳くらいまでの間に起こる心身の変化であるが、一般的にいって男児より女児の方がはじまりが早いとされる。
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