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真夏の畑のトラジティ

夏の畑の一番星は、今年も悲劇に襲われた。

なんということか。

こんなことがあっていいのか。

朝の畑で、わたしは、しばし呆然。

そこには

未熟な縞模様がぱっくりと大きな口を開いて

無惨にその体を敷き藁の上に横たえていた。


この大きな傷は、動物の仕業ではない。

一体、犯人は誰?

わたしの推理は、こう。

「早すぎた梅雨明けとそれに続く酷暑に耐えようと

若い果実は外皮を厚くして熱と乾燥に対する防御を固めた。

しかし、その後の戻り梅雨で連日の雨模様。

果実は四方に張った根から大量の水分を吸い上げる。

水分の蓄積と果肉の熟成、外皮の硬質化のバランスが崩れ、

結果、果実は内側からの圧力に耐えきれずに破裂したのだ」

つまり、これは。

「一切証拠を残さない、異常気象による完全犯罪だよ。

ワトソンくん」

と、一人芝居で動揺を隠そうとする今朝のわたし。

ああ、無常。悲しき熱帯。SDGs。


✳︎今年の夏の「異常な早さの梅雨明け→酷暑→戻り梅雨」は、農作物に大きな試練を与えているようです。うちの畑でも、根腐れ、果実破裂、生育不良など続出。スイカの惨劇にめげず、夏本番に向けて、気合を入れ直さねば。


ちなみに、去年の悲劇はこちら。

去年の犯人はカラスです。

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