さあ、新たな季節へ
迷走台風が降らせた長雨のせいで
4日ぶりとなった朝野良の吾畠は
盛りを過ぎた夏野菜たちを尻目に
野の草が我が世の夏を謳歌して
畦と畠の間を軽々と越えてくる
圧倒的な自然の逞しさを前にして
人が作る秩序はなんと儚いことよと
苦笑いしながらただ黙々と草を刈る
道具小屋の前に溜めた雨水桶から
這い出たばかりの雨蛙が一人
まだ幼生の名残を引き摺って
分厚く重たい雲を見上げて居る
きみの生命とともに吾畠も
やがて秋冬野菜の季節が始まる
どんな試練が待っていようとも
逞しく生きていこうではないか
なあ、ご同輩!