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夏草原に秋の雲

南に開けたなだらかな丘の上

耕し手がいなくなった畠跡はたあと

野の草が我がもの顔で跋扈する


白昼の日差しは衰えを知らず

生き物たちは息を潜めて

ひたすらに宵の涼風すずかぜを待つ


さはさりながら、

空に広がるは秋の雲 耳に聞こえるは秋の虫

そして今宵は中秋の名月

気配はすれど 姿を見せぬ不思議の秋


さて、古人いにしえびとなら この違和を何と詠むだろう

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