道を開拓する覚悟
「若いのに頑張ってるね」「すごいね」「変わってるよね」
学生のころから言われつづけている言葉。
自分では変わってるつもりはないし、すごくもなければ、いつも頑張りが足りないと思っているのに、なぜか他人からはそれっぽく見えてることにずっと違和感をいだいてきた。
でも最近その心境に変化があったから、それを書き留めておく。
ロールモデルが不在なら、自分がなればいい
今のアイデンティティを超単純化すると、
【文系新卒・宇宙スタートアップ・ビズデブ】になる。
よくもまぁ今の環境に飛び込んだなと、我ながら当時の自分をほめてあげたくなるくらい日本ではマイノリティだと思う笑(というか他にいないのでは?)。
まず新卒スタートアップ志望の割合を調べてみると、22卒の学生でだいたい6%未満(n=2529)、宇宙産業の就業人口が約7,000人(2021年時点では増えてるかもしれません)、その中で文系バックグラウンドは確実に少数。
最近でこそビズデブ(事業開発)を新卒で採る会社も出てきているけれど、依然少数。文系新卒・宇宙ベンチャー・ビズデブというキャリアに関しては、自分が先鞭をつけたのではないかと思う。
マイノリティであることは、ロールモデルがいないことでもある。弊社のCEOとGM(ゼネラルマネジャー)も宇宙バックグラウンドではないものの、連続起業家とエンジニアというバックグラウンドをそれぞれ持っていて、経験で補える部分が多い。そんななか、好奇心と志だけで飛び込んだ自分は要らないミスだらけで迷惑かけまくり。笑
(10月に開催した自社カンファレンス)
とは言え、新卒入社から1年半で、セールス・マーケ・PR・広報・採用・イベント・海外展示会出展など、ほんとうに様々な経験をさせてもらうなかで、「変わっていること」を受け入れ、誰も歩いたことがない道を開拓する覚悟ができてきた。ロールモデルがいないということは、自分が唯一無二になれるチャンスでもある。
(ドバイで開催された国際カンファレンス)
経験豊富なメンバーに頼りながら、よりかかるのではなく自分で切り拓いていきたい。
誰でも目指せるキャリアパスに
宇宙産業の商業化が進むのに比例して、中途がメインではあるもののビジネス人材の需要は確実に増している。そして数年のうちに、ビジネス職での新卒採用が一般的になる。
グローバルが大前提だから、英語ができるのはベースライン。専門知識以外にも、産業自体が外交や国防に直接結びつくから、国際関係や日本の政策もしっかり把握しておく必要がある。多面的な能力開発が求められ、新卒で挑むには間違いなくハードルは高い(個人的に総合格闘技と呼んでる)けれど、志をもって挑戦する人(特に学生)にとって、ロールモデルになりたいと思い始めた。
トヨタやホンダが宇宙開発に乗り出したことからもわかるように、日本を支えてきた自動車産業は近い将来衰退していく。その受け皿になるのは宇宙開発であり、次の日本の50年を支える産業になっていくと考えている。だからこそ誰でも歩ける道を開拓することが、結果的には日本の宇宙産業の長期的な発展、ひいては国力を補強することに繋がると信じている。
あと、参考までに「新卒でスタートアップはありかなしか」議論に対する考えも一応書いておくと、「どっちでもいい」です。笑
大手でキャリアを積むも正解、スタートアップで地べた這いつくばるのも正解。結局、自分がどうしたいかを自分の頭で考えて決めることが本質的に重要で、自分で決めたことなら人間何とかするものかなと。笑
自分でリスクをとる、と決めたことに責任を持てないなら、まずは大手に行くか、ポータブルスキルと呼ばれる何かを身につけるのが吉、というのが持論です。
選択の幅を拡大する
ごく平均的な私大文系を卒業しただけの能力しか持たないからこそ、ロールモデルになれると思う。休学して一年アフリカにいたけれど、勢い任せで、なにかできたかというと…。
いまの挑戦ができているのも、ただ好奇心が人より少し強かったのと、運がよかっただけのこと。でも人材が増えないと産業は活発化しないし、中長期的に日本の国力衰退にもつながる。宇宙産業に限らず、Society5.0の実現やその先の社会を考えると、官・民・学など、異なるアクター同士の協力は欠かせない。
だからこそ、文系と理系で分けて考える傾向の強い日本で、自分のように専門分野から離れたキャリアを当たり前にしていく一翼を担いたい。原体験も大切だけれど、その瞬間ごとに追いかけたいテーマを、自分で探りながら決めていく流動的な選択肢をとる人が、先が見えにくいこれからの時代はもっと増えていい。そのことを、地べたを這いつくばりながらも体現していきたい。
最後に
10月・11月の二ケ月で、ドバイ・ドイツ・ルクセンブルクの出張を経験して、英語力の未熟さに加えて、専門知識/業界知識不足など大量の課題に直面しているけれど、爆速でキャッチアップして自走できるように駆けずり回る。
ハードルの高さから逃げたくなることもある一方で、2年・3年というスケールで捉えると、いまの頑張りで数年後見られる景色が絶対に変わっていると確信している。よく「未来が過去を変える」と言っているし、その考えはいつも大事にしているけれど、自分のあとにつづく人がいると信じて逃げずに闘おうと思う。
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