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若い頃の雪の思い出
数日前に関東地方にも雪が降りました。
雪が降った次の朝の景色を見ると、私の記憶の中の上京して初めての雪を思い出します。
私は18歳で奄美大島から都立の看護学校に進学するために上京しました。
子供の頃の夢はずっと家庭科の教師になることでした。高校は家政科に進んだのですが、高校3年生で急に進路変更したのです。
看護師になるためには、私の場合准看護師の資格から取る方法しかありませんでした。
准看護師は病院で看護助手として働きながら2年間専門学校に通う必要がありました。
その後更に正看護師の専門学校に2年通って、ようやく看護師です。
私は、正看護師の学校も働きながら夜学に3年間通ったので、5年間かけて正看護師の資格を取ったことになります。
都内の病院に就職し、その病院の寮に住みながら、看護学校に通っていました。
病院実習のある時は、早朝に出発し、指定された病院に電車を乗り換えて、更にそこから歩いて通うというのが通常でした。
実習が始まった頃に、東京に雪が降りました。
私が住んでいた所はそれほど積もっていなかったので、雪に対しての知識と経験がまったくない私は、いつものようにローファーみたいな靴で出かけました。
でも、電車を乗り換えて実習先に向かって行くとどんどん雪の量が増えてきてしまいました。
電車を降りると、靴がうまるくらいの雪が積もっていました。
実習に遅刻するということは看護学生は許される事ではなく、私は靴の中に雪がどんどん入って足が痺れてくるのを必死でがまんしながら、泣きたい思いで実習先にグングン歩いて行きました。
到着した時には、足の感覚がほとんどなくなっていました。
毎年、雪が初めて降った日には決まってこの時のことを思い出します。
今振り返ると若かったからできたことって、沢山あります。
当時は気がつかなかったことも多々ありますが、いろんな人に助けてもらって、支えてもらってここまで生きてきたんだなとも思います。
頑張ってる訳じゃなかったけど、あの頃の自分をほめてあげたくなることもあります。
長い長い思い出話になってしまいました。