奨学金は利用すべきではない!?
ひとり親の方からのご相談で多いのが、教育資金の準備についてです。
特に大学進学にあたっては、金額も大きいことから、親が準備するか、子どもに奨学金を利用してもらうか、悩まれている方も多いです。
今日は教育費と奨学金についてお話します。
(筆者:なかもり)
教育費と老後資金のビミョーな関係
先日のご相談でも「子どもに借金は背負わせたくないので、教育資金は貯蓄でなんとか準備したいと思いますが、そうなると今度は自分の老後資金が心配です。」とのお話がありました。
そうなんですよね、お子さんが大学に進学する時期になると、その先のご自身の老後のしっぽが見えてくるので、ある程度の貯蓄があっても不安になっている方も多いのです。
そこで、あえて貯蓄があっても奨学金を利用することを助言しています。
なぜなら、一度手放したお金は戻ってこないからです。
人生、何があるかわからないということは、コロナで多くの方が実感したと思います。そんなときには、まとまったお金を手放してしまうのは不安かな~と思うんですよね。「やっぱりお金返して」というわけにはいかないので、使うタイミングをちょっと考えてみると良いと思うのです。
知っておきたい奨学金の特徴
奨学金には以下のような特長があります。
多くの方は「日本学生支援機構」の奨学金の利用から検討されると思いますので、それを例にお話しますね。
これって知ってる?① ~どれくらいの利率がかかるのか~
奨学金は借金(後から返すもの)ですから利息がつきますが、その利率をご存じですか?
「上限3%」とあるので、利率は3%と思っている方も多いようですが、あくまでも「上限」ですので、現在は0.5%以下です。
これって知ってる?② ~いつから利息が発生するのか~
在学中は利息はつかないことをご存じですか?
利息がつくのは、卒業してからですので、ほとんどの方は3月に卒業し、4月1日から利息がつきます。
これって知ってる?③ ~いつから返済するのか~
奨学金の返済は、卒業後すぐではないことをご存じですか?
利息は、卒業した後の4月1日から発生しますが、返済がスタートするのは、それから半年後の10月からです。
4月から9月は据置期間となり返済はありません。
据置期間の利息も一括で返済するわけではなく、返済期間に分散して返していくことになります。
つまり、在学中は利息がつかないわけですから、ひとまず奨学金を利用して教育資金は支払っておき、卒業した際に貯蓄で支払っても今後の生活に支障がないのであれば、そのときに一括返済してしまえば、利息を支払う必要もないわけです。
「奨学金」を金融商品として考える
つまり、お伝えしたいことは「奨学金=借金」という側面だけを見るのではなく、「奨学金」という商品をどう活用するのか?を今一度考えてみてもいいのではないかなということです。
「奨学金」から学べることはたくさんあります。
・手続きには時間も労力もかかるので、段取りを考えて動こう
・こんなにお金をかけて学んで、それをどう活かすのかが大事だな
・お金を借りて、それを返すとはどういうことかを考えてみよう
などなど、こういったことをお子さんと話し合えることは大切です。
特に「お金を借りる」ということをお子さんと共有できることは良いチャンスです。クレジットカードやカードローンなどで簡単にお金を借りられる時代のせいで、若い人からのSOSのご相談が増えているので、ぜひお話してみてもらいたいと思います。
「利率」というものを経験したことがないので、月々の返済額だけを見て、どれくらいの利率でお金を借りているのかを実感できないのですよね。
しかし、奨学金を考えるときに利率の話が共有できれば、いかにクレジットカードやカードローンの利率が、将来の生活を圧迫する可能性があるのかを実感しやすくなると思います。
商品の活用方法を考えることは、生活の知恵になりますので、こんな側面からも奨学金について考えてみてはいかがでしょうか。
無料オンライン相談
お一人で考えてもわからない、難しい、そもそもめんどくさい、というときには、ぜひオンラインの無料相談をご利用ください。
相談の内容がまとまっていなくても、大丈夫ですよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?