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富裕層が支えるリアルコンテンツビジネスモデル



(1)リアルコンテンツチケットの高騰

ここ数年、リアルコンテンツビジネスのチケット価格が上昇しています。
例えば、東京ディズニーランド(TDL)のワンデーパスポートの価格は、2004年には5,500円だったのが、2019年には7,500円、そして、24年には入場日によってチケットの金額が7,900円~1万900円(変動価格制が採用)となりました。

特に、「大人料金1万円超え(※1)」の影響は大きく、家族での来園が以前より難しくなり、若者やファミリー層が減少しています。

(※1)ゲスト1人当たりがTDRで使う費用は、飲食やショッピングを含むと平均1万7,000円

以下の記事でも、「ファミリー層や若年層が減り、40歳以上の来園者が増えている」と指摘されています。

(2)富裕層が支えるビジネスモデル

リアルコンテンツビジネスの利益構造は、富裕層(高所得者層)への依存が高まっています。
高額なチケットやVIP待遇を受ける顧客が、これらのビジネスを支えているのです。特にライブイベントでは、数十万円にも及ぶVIP席が販売され、それを購入する顧客層が存在しています。

富裕層がこうしたビジネスを支えること自体に問題はありませんが、それに過度に依存する構造は、長期的に持続可能かどうか考える必要があります。
日本国内での所得格差が広がる一方で、こうした高額な体験を享受できる人々は限られており、将来にわたって一般の人々がリアルコンテンツビジネスを楽しめるかどうかは疑問が残ります。

(3)所得格差の拡大と日本社会の行く末

日本の平均的な所得水準が低下し、高所得者層がビジネスを支える構図も加速している中、国内富裕層が他国に流出したり、日本市場から離れるリスクは無視できません。
また、外国資本が日本市場に魅力を感じなくなり、国内から減少することになれば、日本経済は、これまでにも増して大きな打撃を受けるでしょう。

(4)お金がかからない趣味と人生の満足度

一部のリアルコンテンツにアクセスできなくなったとしても、現代では比較的手頃な価格で楽しめる娯楽が多く存在します。
その一例が、無料や買い切りのゲームやNetflixのようなサブスクリプションサービスです。これらのサービスも値上がりしているとはいえ、1日で1万円以上を消費する東京ディズニーランド(TDL)などの体験に比べて、圧倒的に低いコストで長期間にわたり楽しむことができます。

高額なお金を消費しなくても楽しめる趣味を見つけることは、これからの時代において重要な価値観です。

例えば、Netflixの月額料金は約1,000円程度で、1日で多くの映画やドラマを視聴できるため、圧倒的なコストパフォーマンスを提供しています。
ゲームでは、仮想の世界で豊富なストーリーや冒険を体験することができ、現実世界から一時的に離れ、リフレッシュすることが可能です。

このように、少ない費用で質の高いエンターテインメントを楽しむことで、物質的な豊かさに依存せずとも、人生の満足度を高めることもできます

(5)幸せの新しい価値観

所得格差が広がる中で、お金に縛られない新しい幸せの形を模索することが、これからの時代において重要なテーマとなるでしょう。

豊かな人間関係や、創造的な活動、自己成長を通じて得られる満足感こそが、これからの時代の幸せの新しい価値観です。
例えば、趣味を通じて達成感を感じたり、地域やコミュニティとの交流を深めることで、物質的なものに頼らない充実感を得ることも可能です。

(6)まとめ

リアルコンテンツビジネスやエンターテインメント業界が今後も持続可能であるためには、日本社会全体の所得水準の向上が不可欠です。

しかし、同時にお金に頼らない幸せを見つけることも重要な要素です。
お金がなくても楽しめるコンテンツや、心の満足感を高めるライフスタイルを見つけることが、これからの"個の時代"を生きる上での鍵となるでしょう。

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