上海生活(住宅)
上海の家は広かった。無駄に広かった。必要最小限の持ち物で過ごしていた夫婦には。とはいえ、湯船があって、トイレにはウォッシュレットもついていた。キッチンも広かった。冷蔵庫は小さかったし冷凍庫は霜がついた。換気扇は他の部屋と通じているようで、他の部屋の料理の匂いが漂ってきた。
一度台所の壁のタイルが落ちてきたので修理してもらった。
香港と違い、空調に暖房の機能もあった。やはりパワーは弱かったので最も暑いときと寒いときには役に立たなかったが、それでもマシな方かなと夫婦で話した。
暑くなるとたまに小さな虫がどこからか這い出てきた。
立地は日本人の多い古北エリア、日本人向けサービスが充実、日本語で注文出来るお店や宅配もいっぱいあった。
上海の駐在期間は2年という前提だったので早々に中国語を習うことを諦めた。
私たちが上海から帰任する頃は新型コロナの水際対策の影響で、春節に日本に戻っていた駐在員家族の殆どが戻ってこれていない状況だった。内覧に来たのは日本人単身者か、もともと大連に居た人が上海に異動になる人達だった。
引越手続きには引越する人のパスポートが必要と言うことだったのと、
その後VISAキャンセル手続きに一週間前後かかるとの事だったので、日本に持って帰りたい大事な荷物は先に日本に送り、残ったものは処分するしかなかった。幸い高価な物は持ち合わせていなかったので、荷ほどきするのも面倒だしと思い切って捨てて、夫婦二人で大小あわせて段ボール10個で収まった。