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大好きだったあの頃と今。


大好きだった人と別れた。
期間は半年。
ずっと一緒に居て、
遠距離だったから、
月1回か2回くらいのペースで会っていた。
自分にとってその時間は何よりも大切で、
毎日していたLINEも通話も今はもうできない。
距離は遠くてもずっと一緒に居れると思ってたし、
将来のことだって一緒に話したり、会った時には
家具を見たり、
一緒に住んだ時にはこういう物を置きたいね。
って話したりしていた。
月一回しか会えなかった分、
その時だけはずっとくっついていた。
海遊館に行ったり、街を歩いたり、服を見たり、
すごく大切だった時間。
送られてくるボイメを何度も聴き返して、
送られてくる写真はすぐに保存して、
何度も見返していた。
いつかは結婚も視野に入れていて、
2人で今まで会えなかった分全力で楽しもう。
そんな話だってしていた。
何よりもお互いが大切で、
誰よりも喜びを共有したくて、
別れるなんて微塵も考えてなかった。
自分が就職活動をしていたのもあって、
面接練習とかも手伝って貰っていた。
内定が決まったら、
焼肉と君が好きな香水をプレゼントするよ。
って楽しそうに話してくれていた。
「余裕で内定取って迎えに行くよ。」
なんて約束もした。
その時の君はすごく嬉しそうな声色で、
この人のためならなんでも頑張れる。
絶対に上手くいく。って心の底から思ってた。
嫌だった勉強にも手を付けて、
必死に点数を上げた。
そのおかげで、一次試験の筆記試験は何個も受かった。
君が居てくれたから、嫌なことだって頑張れた。
面接だって全力で練習をした。
体調が悪くたって熱が出てたって関係ない。
君と一緒に過ごせない時間の方が嫌だ。
その一心で、全力で頑張ってきた。
一次試験を合格したと伝えた時君は、
すごく嬉しそうな声で喜んでくれた。
私もすごく嬉しかった。

でも終わりは突然で、別れることになった。
何度も何度も考えは変わらないのかと聞いた。
君はもう限界だと言っていた。
遠距離だったから、君の身の回りで起こっていた
出来事を深く知ることはできなかった。
自分のことで手がいっぱいだと、
君はすごく悩んでいた。
今にも消えてしまいそうなくらい悩んでいたよね。
君は言った。
私の事で心配しないでいい人生を送ってください。
何を言っているか分からなかった。
最後に君は、
さようならと言って私の前から消えてしまった。
何度も泣いた。何度も何度も何度も。
涙が止まった時には目が腫れていて、
食欲なんてものは最初からなかったかのように、心に果てしなく大きな穴がてきたような、
何もかもに絶望をしていた。
これからどうしたらいいのか、
なんのために今まで頑張ってきたのか、
もう消えていいかな、
これ以上何のために生きればいいのか、
答えなんてない果てしない絶望に打ちひしがれていた。
一緒にまとめたアルバムやボイスメモ、
一緒に撮った写真や、動画。
これを見た時、声を上げて泣いてしまった。
もう楽しそうに笑う君を見ることは出来ない。
あの頃夢見た将来なんてものは最初から無かったかのように消えてしまった。
君が買ってくれたペアリング、今も捨てられずにいる。
一緒にどんなデザインがいいかを何度も考えて、
最高にいいものを買って、2人とも左手の薬指に付た。
そんな思い出も消えて、一緒に行った場所、
食べたもの、何もかもを消した。
でも、それでも、君から貰ったペアリングや
プレゼント、君の影響で好きになったキャラクター
捨てれる訳もなく今も変わらず部屋にある。
君が居なくなってから
もう少しで1ヶ月が経とうとしてます。
君は私のことを忘れたかな、
もう過去のこととして消化しているのかな。
私はまだ何もかもを忘れられない。
全部、全部鮮明に覚えてるよ。
いつかこれも思い出として消化される時が来るのかな。
君の影をずっと追うわけにはいかないなんてことも
頭では理解している。
でも、ふとした時に、君を思い出す。
君ならこうしてるかな。こういう風に考えるんだろうな。
きっと楽しそうに笑うんだろうな。
間違いなく私の人生に意味を持たせてくれたのは
あなたで、あなたのおかげで私は今も生きている。
あの時約束した「余裕で内定を取って迎えに行くよ。」
を果たせたとしても、君はもう居ないんだね。
全部が終わったら、君に手紙でも出そうかな。
その手紙にはなんて書こうかな、
書く頃には何度も聞き慣れた声も少しずつ薄れてるのかな。
嫌だな。
君はどうか分からないけど、私は今も大好きなんだよ。
何を言われても、君だけが大事だったんだよ。

ばいばい。大好きだった人。



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