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東京での日雇いバイト総集編

日雇いバイト総集編なんてだいそれたタイトルのわりには、実際に日雇いバイトをしたのは合計5回だったので、そんなだいそれたタイトルもどうかとは思いつつも、今回の日雇いバイトの総合的な感想をまとめておく。

結論から言うと、最初に経験した職場が1番良かっただけだった。

その時の様子は、こちらの記事↓

最初の日雇いバイトのその後、

  1. ビッグカメラの配送助手

  2. クロネコヤマトの配送助手×3回

を経験した。なぜ配送助手ばかりなのかというと、派遣の日雇いバイトがそうなのか、俺が登録していた派遣がそうなのかはわからないが、配送助手の仕事が多く、派遣元の担当の人がすごい斡旋してきたからだ。

会社については応募が完了するまでどこの会社なのかわからない状態なので、それがクロネコヤマトなのか、ビッグカメラなのか、はたまた佐川急便とかもあるのか、それは結局わからなかったが。

結果的に意図せず4回もクロネコヤマトに派遣されることなった。


ビッグカメラの配送助手の仕事


朝、指定された事務所へ行き挨拶をするが、俺の名前がリストにないとかで、確認するまでとりあえず座って待っていてくれとのことで、待っていること30分。

そしてこっちはこっちで俺のことを探していたらしく、「なんでこんなとこに居るんだ!」と軽く怒られる。

「なんで怒られてんの?ここで待っているように指示されたんだけど?ただのそっちの連絡ミスじゃないの?」という気持ちはぐっと堪え、言われた通りに荷物の積み込みをし、他の配送の人たちから遅れながらもようやく出発だ。



この会社はビッグカメラの配送ということで、洗濯機や冷蔵庫といった大きくて重い荷物ばかり。持ち方もものによって色々あるらしく、

「そうじゃないって!もっと下の方から持ち上げる!そこ壁気をつけて!1回そーっと置いて!少しでも床傷つけたら弁償だからな!」

と、プレッシャーがすごい…


荷物を運ぶだけじゃなく、家電の設置、古い家電の回収までが仕事の流れ。

荷物も重いうえに、ギリギリ入るか入らないかくらいのめちゃくちゃ狭いスペースに大型家電をフィットさせなくてはならない。

実際、サイズ的に荷物を入れることができなくて、設置できずに帰ったこともあった。

最初にちゃんとサイズ計算してよ…

いや、もっと言ったら、よくもまぁこんなギリギリのスペースを上手く使いながら生活してるよなーと感心する。

田舎の方とか、海外とかにいけばもっとゆったりしたスペースで広々と生活できるのに。

そんなにまでして東京に居たい理由とはなんなんだろうか?今回の東京滞在している間にその答えを見つけることは難しそうだ。


話しがズレたが、荷物を玄関まで運び、依頼者と対面した時点で急いで梱包を外し、家電を部屋の中に運び入れ、ドライバーさんが最後の調整や家電の試運転をしている間にゴミを片付けてトラックに積むのが俺の仕事。

今日も3人体制で回るらしく、もう1人おじいちゃんに近い年齢の人が乗っていたが、ずっとドライバーさんと2人での作業だったため、この人がなんでいるのか、何をしていたのかは結局仕事が終わる最後まで分からなかった。


重い荷物をギリギリの中運んでいるのでピリピリした雰囲気。

「だからそうじゃないって!!そこで少し右にずれる!!違う!!右にずれるって意味わかる!?違うって!!!はぁ、1回置いて!!」

「何言ってんのか意味わかんないっすよ。わかるように説明してください」

俺もイライラしてしまい言い返す。

とにかく作業を終わらせ、いつものように先に車に戻り、なんで一緒に来ているのかまったく予想もつかないおじいちゃんと2人でドライバーを待っているときにおじいちゃが口を開いた。


「今日はあと〇〇件あるからー、このペースだと20時くらいまでかかるなー」

「今日は残業になりそうな感じなんですか?」

「なんで?なんか用事でもあんの?君にそんなこと関係ある?ダメだよー、用事があんなら最初に言っとかないとさぁ」

「いや、別に聞いただけじゃないですか。普通の会話だと思いますけど?別に用事もないし残業でもいいけど、仕事の流れがもう分かってるなら教えてくれてもいいでしょ」


もうこの時点で俺はかなりイライラしていた。

なんなんだこいつら?優しさのかけらもない。人を奴隷くらいにしか思っていないんだろうか?


俺がイライラしているのに気づいたのか、このあとからは2人ともちょっとだけ優しくなったのもまたイラつく。

人の態度次第で態度を変えるのか。文句を言わないおとなしい奴なら散々な目に合うだろうな。


お昼休憩すらもなく、トイレもいけずに朝からずっと1日働き続け、なんとか1時間残業程度で1日を終え、クタクタになりながらこの日の作業は終了した。

そして俺は思う。

「こんなところ二度とくるか!!」


2回目のクロネコヤマト配送助手


クロネコヤマトは制服があるので、事業所に着いたらまず制服に着替えて、それから担当の人が呼びにくるまで待つ。

「佐藤さん?じゃあ行きましょうか」

優しそうな人でホッとする。


「今日は宅急便の配達で、今から冷凍庫に荷物を取りに行って、それから1人でまわってもらうから。2,3件やればだいたい要領つかめると思うから」

「ひ、1人でですか?はい、とりあえずやってみます」


荷物を取りに来た場所は、冷凍庫なのでめちゃくちゃ寒いが、真夏使用の服装できている俺は、中に入って5分もすれば寒くて震えてくる。

相方の人はちゃっかり自分だけ上着を持ってきていた。

そんな中、1時間ほど荷物の積み込み作業をしていた俺は、ガチガチと身体が震え、もう寒いを通り越して身体の節々が痛くなってきていて、「あぁ、もう俺はダメかもしれない…」と弱気になってきた頃、ようやく荷物の積み込み作業が終了した。

そしてドライアイスを掴んだりしていた手は青紫色になり、針に刺されたような激痛に襲われていた。

普段憎たらしいほどに暑い外の外気温がこれほどまでに愛おしく感じたのは初めてだった。


今回配達するエリアに到着し、改めて簡単に説明を受ける。

ここで二手に別れ、この辺りにあるマンションの内2つを俺が担当し、それぞれ荷台を押しながら荷物を配達してまわり、あとの2つのマンションをドライバーさんが担当するということらしい。

とにかくドライバーさんと別れて1人でやってみるが、まずエントランスの入り方がわからない。固く閉ざされてある部屋は、部外者が入れないようにロックされている。

「これは…部屋番を押して開けてもらうんだよな…?」

部屋の番号を押して入口を開けてもらい、とにかく中には入れた。だが、今度はエレベーターに乗るのにまた開けてもらわないといけない。

また部屋番を押してエレベータールームへの入口を開けてもらう。


「よし、なんとかここまで来たぞ!あとは部屋に届けるだけだ。1202号室はーっと。って1202号室って何階だよ!?普通102とか、203とかじゃないの?3階建て以上の場所なんて行ったことないからこの仕組みがわからん!」

さっきまではとにかく中に入るのに必死で気づかなかったが、部屋番号の数が多すぎてわけがわからなくなってしまった。


フロントで聞いてみるか…とフロントに行くと、

「ここは大理石なので台車の使用はお控えください」

「あっ、スイマセン。えっと、でも荷物の配達をしないといけなくて…どうすればいいですか?それと1202号室って一体何階ですか?あの世とかですか?

「業者の方は業者専用のエレベーターをお使いください。1202号室は12階になります」

1202号室は、12階ってことか。確かに言われてみればそうだ。でも業者専用のエレベーターってなに?そんなものがこの世に存在していることすら今まで知らなかった。先に言ってよもう。

業者専用のエレベーターに行くとたくさんの業者が順番待ちをしている。

俺も待っていたが、この大きな荷物を抱えたままエレベーターなんてとてもじゃないが乗りこめない。


そうこうしている間にも時間はどんどんと過ぎていき、午前中に配らなければいけない荷物をまだ一つも配っていないというのに、時間はもう11時30分になろうとしていた。

「ヤバい…どうしよう…この感じじゃエレベーターは一生使えないし、荷物も配れないまま時間だけが過ぎていく…」

頭をフル回転させ、台車を置いて荷物を一つ一つ持って自分だけエレベーターで移動し荷物を配達する作戦にでた。


一軒目、二軒目とこなしていくうちに要領もつかんできてどんどんスピードアップできた。

だが、午前中の配達に間に合わなかったものや不在もあり、何件かは配達できずに持って帰ることに。


そのことを後からドライバーさんに伝えると、残った荷物は他のドライバーさんが引き継いで配るから大丈夫だそう。

自分で配達した時間はせいぜい2,3時間で、やがてやってきた引き継ぎのドライバーさんに残った荷物を渡してこの日の業務は終了。

移動時間が長かったのもあり、実際の稼働時間は短いものだった。


3回目のクロネコヤマト配送助手


2回目のクロネコヤマトで味をしめた俺は、もう一度同じ現場の希望をだした。滞在しているホステルからも比較的近く、1度経験しているから業務内容も楽だったからここが良かったのだ。

だが、その現場はすでに人員が埋まっているとのことでまた別の現場に派遣されることになる。

言われた住所にあったのはまたクロネコヤマトだった。クロネコヤマトの仕事しかないんか?


「佐藤さん?もう少し待っててね」

そう言われ、なにもすることなく直立不動で待っていること30分ほどがたった頃、ようやく呼びに来てくれた。


どうやらこの営業所は、大型家具の配送や、引っ越しなどの荷物の配送らしく、大型の家具家電ばかりだった。

ビッグカメラの時の嫌な記憶が蘇る…


荷物を積み込み出発。

「なんだよこいつ…なにがしてえんだよ!」

「配達時間なのにいないとか、こいつバカなんじゃないのか?」

ずっとブツブツと文句を言っている年配のドライバーさん。

運転しながらも歩行者に文句言ったり、お客さんに対して文句を言ったりしている。(もちろんお客さんのいないところでだが)

これはドライバーあるあるなのか、これまでにお世話になった日雇いバイトの配送の仕事で関わった人たちは、少なからずみんな文句の多い人が多かった。

「この人さっきから文句ばっかだな」と思いつつも、俺達2人の間には会話はなく、淡々と仕事をこなしていく。

ドライバーさんにもよるが、今回の人はすごくムダが多く、効率が悪いのでムダにやたら時間がかかってる気がする…

そしてやっと昼休憩に入ったのは午後3時になってからだった。

配送系の仕事ではこれがデフォルトなのかもしれない。


一応派遣元には17時30分までの仕事と聞いていたが、どうなるんだろう?今から1時間休憩し、16時から少しだけ働いて終わりなのか?そんなことを思いながら仕事に戻り、定時が過ぎ、18時が過ぎ、19時が過ぎてもまったく終わる様子のない仕事。

「いつまでやるんだよ…てかなんか教えてくれよ…」

ビッグカメラの時に残業の有無について聞いただけで怒られた俺は、何時に終わるのかも聞けずに、ただ仕事をこなすしかなかった。


結局、いつ仕事が終わるのかもわからずに配送を続け、すべての配送が終わり営業所に戻ったのが21時。それからゴミの片づけをして、ようやく「帰っていいよ」と言われたのは21時30分頃だった。

「もうしんどいって…残業になるならせめてそう言ってよ…」

この日俺は、そんなことを思いながらヘトヘトになって帰路についた。


4回目のクロネコヤマト配送助手


「ご希望の現場はつい先程決まってしまいました」

相変わらず希望したところは中々入れずに、「ここに行ってくれ」と指定された派遣先は、この前と同じ残業の営業所だった。

「あたあそこか…」という思いが頭をよぎったが、今回の東京滞在中に働くのはおそらくこれが最後だろう。もうどこでもいいか、と前回と同じ営業所のクロネコヤマトへと派遣された。

今回のドライバーさんは比較的若く、俺より少し年上くらいの人だった。

言い方や態度が多少キツいところはあるが、ムダがなく、スムーズに仕事は進む。

比較的プライベートな話しなんかもしながらやっていた。

お昼休憩も14時頃にはとれたし、残業も1時間ってところでなんの問題もなく最後の仕事が終わった。残業も急遽、余分な仕事が入ったので最後に追加で行くことになっただけで、それがなかったら定時で帰れてただろう。


ということで、今回の東京滞在中に経験した日雇いバイトの感想をまとめる。

日雇いバイト総集編感想


  • 時給はいいし気楽

  • だけど基本なにも知らされないしただ奴隷のように従うしかない

  • 仕事の責任はないが、こっちの都合や意見もない

  • 東京の人冷たい

  • 楽な日もあればしんどい日もある

  • 一緒に周るドライバーにかなり左右される

  • ドライバーの裏側結構ドス黒い(裏では文句ばかり)


マイナスな感想ばかりになってしまったが、東京に数週間単位で滞在するなら、いつでの好きな時に働けるし、滞在費ぶんくらいは気軽に働いて稼げるの点は便利かな。(もうビッグカメラには行きたくないが…)

人との関わりとか、態度が冷たく感じたのは、『東京』という街の性質なんだと思う。

「制服はどこで着替えたらいいですか?」
「作業報告書をいただけますか?」

こんな質問をすると、

「上!」とか、「そこの机!」とか、あからさまに面倒くさそうに単語のみで返されることも多く、「感じ悪っ」と思ってしまったりしたけど、

そりゃあ彼らからすると、毎日代わる代わる違う人がやってきて、それでいて毎日同じようなことを聞かれていたりしたら態度も冷たくなるのかもしれない。


とにかく、こんな感じで『初めての日雇いバイト東京編』の感想とする。

また機会があればやってみようと思う。













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