知らないだけ

人って本当は誰もが親切で優しいのではないでしょうか。


私の前の職場に目つきのわるい T さんという人がいます。
Tさんは目つきだけでなく、口もわるい。
そして態度もわるい。
しかし、悪(あく)ではないんですよね。

私が新人の時、失敗をして困っていたことがありました。
もう時間も遅かったので、皆早く帰りたくて自分のことを終えるとさっさと帰ってしまいます。
そんな中、ティーさんが外回りから戻ってきました。
ティーさんは帰って来たばかりなので、今から事務仕事が残っています。
家族がいるので早く帰ってあげないといけないはずです。
なのに、困っている私を見て
「何悩んでんねん、貸してみ」
と言って10分ぐらいで解決してしまいました。

実は、お客様の中にもティーさんを指名する人がいました。
ティーさんは
「お客様の前では演技や、演技！」
とよく言っていましたが、
私もそのお客様と会って話したことがあります。
そしたらやはりお客様は分かっていました。
「あの人、本当は優しいよ」
「本当は」というところが少し引っかかりますが、お客様は見抜いていらっしゃったのです。

ティーさんと話す機会はあまりなかったので、私がこんなふうに考えているとはティーさんは思ってもみないはずです。
しかし私の無意識のプログラムの中にティーさんのプログラムは確実に入っています。
そして私のプログラムの一部は必ず、私に接する娘に引き継がれていきます。


そう考えると私たちは成長するプログラムとも言えますよね。


ティーさんは自分のプログラムが私の娘の一部になることを知りません。
そしてそのプログラムが娘の周りに拡がっていくことも