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おーん。
2021年12月22日 10:31
僕はずっと誰かの感情がわからなかった。いや、わからないフリをしていた。いつからだろう?それを考えるといつも想い出す記憶がある。ずっと昔。まだひらがなも書けないくらい幼い頃。誰かが泣いていた。ああ。弟だ。痛いな。弟のすすり泣く声に僕の体が痛むのだ。「どうしたの?痛いの?」弟は壊れた壁掛けのカラクリ時計を指差して「壊れたの」 と言う。「壊れたから悲しいの?」