モーニング俳句2019.12月
4月から続けてきた朝俳句が年末までたどり着きました。時々抜けてる日はありますが、こんなに続くとは自分でも驚いています。俳句はたくさん作ってたくさん捨てろ、というのを聞いたことがあります。しかし仕事して、家事をして、こどもの面倒もみて、短歌も詠んで……という中、俳句にそこまで時間を割けないので、「一日一句」というのが無理がなくていいのでしょう。
さて今月も、俳句ポストと俳句生活で人選をいただきました。たらば蟹は特に難しかったです。だってあんまり食べたことないし。関西人にとって蟹=ずわい蟹 なので、たらば蟹はなじみがないのです。
巡礼の往くたび落葉砕けたり
たらば蟹脚吸すうひとの頬くぼむ
ひとの窓すべて潤みしクリスマス
もうひとつ、ツイッター上の #珈琲映画五七五 という企画に投稿したものです。『ボヘミアン・ラプソディー』が元ネタです。
コーヒーマシン投げる手止めよ鉦叩
ではでは12月の朝俳句、まとめです。2019年、「いいね」やコメントをくださった皆様、ありがとうございました。2020年も時々読みにきてくださいね。
夜回りを聞く側溝のカップ酒
豹柄の背中まあるく日向ぼこ
街灯を歩道に映す冬の雨
屏風閉じ小町の裾に僧の顔
海豚跳び波のひとつがいま寄せた
再会を牡蠣で祝えりパリ左岸
大雪の水が沁みゆくもらひ傷
笹鳴に枕をずらす山の宿
昼の街ならひに動く三輪車
常夜灯みつけてうれし冬景色
水を飲み水洟を出すだけの機器
流木に触れて熱あり冬渚
鴛鴦の軌跡ふたつが溶けて消ゆ
冬服の右肩濡らしはずむ声
幾何学の空雪吊に区切られて
唇のひびわれに湯気葱鮪吹く
長旅の歳暮包みに雨の跡
冬空とわたしの頬に境なし
ため息に枯葉かたりと身じろぎす
賀状書く指にブルーブラック沁む
磯の香や潤目鰯の見た世界
ポケットの乾き手で知る冬至かな
枯れ芝を髪に絡めて勝てないわ
ポインセチア抱いて土の香生きている
〜ペイで送る社会鍋静か
街に向かふ凍て星のもとでは一人
しあわせの証(あかし)古日記の白さ
歯ブラシの傷み各々年惜しむ
大晦日寝息正しく二匹をり
鴛鴦:おしどり 葱鮪:ねぎま
久しぶりに店の焼鳥が食べたいです!!サポートしてください!