Vtuberの常識を超えた、ユージェネという存在
2021年7月1日、コロプラよりユージェネというAndroidアプリが正式サービス開始された。日本地図上を歩いて冒険し、毎日決まった時間にVtuberがライブ配信するというアプリだが、このライブ配信が完全にVtuberの常識を超えていた。
※この記事は、ユージェネまたはVtuberの有識者向けのもので細かい説明は割愛します。なお、記事をわかりやすくするためライブ配信者(アスタリスタ、ライバー、バーチャルアイドル等)をVtuberで統一しています。
毎日3D配信!?
まずこのアプリ、何が凄いって毎日スタジオ使っての生配信なのである。有名Vtuberでもこんなの月に1回あればいい方である。
ユージェネのVtuberは現在3人のため、3人が毎日代わる代わる3D配信をしているのだ。そう、毎日である。
リスナー個人あてにメッセージが届く!
ライブ終了後にメッセージが届くのである!(もちろん全員ではないが)
名前を呼んでくれていたり、打ち込んだコメントを覚えて反応を返していることから、1人1人に撮りおろしていると考えられる...
ゲームも!通話も!!!
ライブ時にはミニゲームをVtuberと一緒に遊んだり、本人から通話がかかってきたり、オリジナルソングを歌ったりする。
ゲームの種類も多く日替わり、このアプリ専用に作られている...
そんな値付けで大丈夫!?
上に出ているのは全て無料部分なのである。繰り返す、無料なのである。このアプリの課金部分はYoutubeで言うところのスーパーチャットにあたるエールと、そのエールを投げる、又はミニゲームで手に入るポイントによって配信後に開催されるオマケトーク。Vtuberの服を変更できる着せ替え衣装。そしてたまに開催される有料ライブ(4000円くらい)。
Youtubeで活動してる企業Vtuberさんは?
Youtubeで活動しているVtuberの方々も無料3D配信は行うが、何らかのプロモーション活動である事が多い。新曲リリースであるとか、グッズ販売開始などここぞという時に開催される。(グッズセットは1万~2万円くらい)
個別メッセージ(リクエストボイス)、個別通話についても行われたりするが、普通は有料である。(1500~5000円くらい、そして争奪戦)
「普通お金取るところじゃない!?」と思うところが無料で驚く。
そして、無い物。
まず、Youtubeと違い、ユージェネはアプリである。そのため色々と無い物がある。
まず、アプリ内では(おそらく)自社の曲しか歌えない。Youtube等動画配信サイトは大半がJASRACとの包括契約をしているため、管理されている楽曲のカラオケ音源があれば歌えるが、その包括契約が無い。歌える曲に恐ろしい制約がかかる。
次に、自社で作ったミニゲームしかできない。ゲーム実況という市販ゲームをプレイして放送するというスタイルは取れない。
そして地味に大きいのが雑談のネタが無い。彼女たちは異世界から来ているため、どの県出身だとか子供の頃の思い出話、親しい友人と何処かに行ったなど雑談の定番デッキが使えない。もちろん、未来に実装されるストーリー等があるためか実装部分以外のアプリにまつわる話もできない。(ストーリー部分は3Dアニメの形で再生される)
当たり前だが、再生報酬・メンバーシップ・企業案件が無い。Vtuberというとスパチャ以外に動画の再生報酬、月額のメンバーシップ、ゲームや商品の宣伝企業案件をこなして利益を得ている場合が多数である。
少し昔話をしよう
ここまで読んでピンと来た人も居るだろうが、自社で配信プラットフォームを作り、3Dアニメを作った会社がある。そう、カバー株式会社である。
キャラクターに会えるライブ視聴アプリとして「hololive」を2017年にリリース、その発表用キャラクターとして活動開始したときのそら。2018年に3Dアニメのキャストとしてさくらみこ。
版権の問題から歌える曲は著作権の切れた讃美歌しか歌えない、3Dアニメの設定があるためあまり自由に喋れなかった等、方針転換前はよく似た問題点をかかえており、どちらも最終的には頓挫した。
方針転換後はご存じの通りVtuber事務所としてプラットフォームの主体をYoutube・ニコニコ生放送にし、人員増員し今に至る。果たして同じ道を辿るのか、全く別の未来が広がっているのか...
ここまで読んで興味が出た方は是非、一度ライブを見ていただきたい。