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【ガチMBA学びログ#10】ひとりダイバーシティはイノベーションの根源

今回はひとりダイバーシティ=個人内多様性=「イントラパーソナル・ダイバーシティ」について。多様性にまつわるモヤモヤから考えてみます。

多様性に関するモヤモヤ

多様性って最近しきりに言われているけれども、どうして必要なの?また多様性を追求したことによる弊害はないの?とは多くの方が疑問に持っていると思います。

子連れMBAのゼミの中でも多様性と同質性のはざまでモヤモヤされていたゼミ生からお題提供をいただいて、意見交換を行いました。 

その中で気になるキーワードが、
「イントラパーソナル・ダイバーシティ」

「イントラパーソナル・ダイバーシティ」入山章栄先生の世界標準の経済理論にも出ており、様々なシーンで解説されています。

経営学で見たときの多様性の必要性

そもそも多様性ってどうして必要なの?と言うお話を倫理的なものではなく、今回はMBAということで、経営学的視点から見ていきます。
経営学、、と言いながら、人類という大きな話から入っていますが、、先に紹介した入山章栄先生の対談動画より。

人類って、基本的に多様性で発達してきてるんです。
会社が成長しつづけるには、新しいことに挑戦しつづけないといけないじゃないですか。そのためには、新しいアイデアが必要ですよね?

で、そのイノベーティブなアイデアがどう生まれるかというと、「この世にあるんだけど組み合わさっていないものの組み合わせ」なんです。
(中略)
シュンペーター(経済学者)はそれを90年前から「新結合」と呼んで提唱していたわけですけど…
これは国単位で見てもそうだと思っていて。
たとえば、シリコンバレーで起業する人の半分以上は移民なんですよね。
世界中の人が集まって多様な知恵を組み合わせるから、新しい事業アイデアが生まれて、イノベーションが起きている。

多様性は、成長とイノベーションの根源なんです。
(中略)
そういう意味で、ダイバーシティはとても重要。経営学の観点から見ても、イノベーション度が高い会社は多様性が高いです。

新R25 ビジネスパーソン、インタビュー入山章栄先生

この文脈からも読み取れるかと思いますが、多様性はイノベーション、知の探索に必要であり、ひいては会社の発展や経済成長にもつながるということですね。

シリコンバレー wikipediaより

ゼミ生からの問題提起

これを踏まえた上でのゼミ生からの問題提起です。

多様性と同質性についてです。

知の探索のためには言わずもがな多様性が必要とされていますが、多様性って組織にとってどこまで許容出来るものだろう??と疑問に思いました。組織文化が存在浸透して、効率的な組織運営を行うためには、あんまり多様でもいけなくって、ある程度の同質性(それを入社試験で見極める?)が必要なんじゃないか?多様性が異分子となり組織運営に支障をきたしうることもあるんじゃないか?って。その許容出来る多様性レベルが組織ごとに存在してたりするのかな??とか。
誰か何かお考えを教えてくださいまけんか?!

朝から熱くてすみません笑

子連れMBA ゼミ生投稿より

多様性より同質性が有効なケース

再び入山先生の動画より

(聞き手)今の日本は既存の構造を壊すイノベーションが求められているので多様性が必要だけど、成長モデルが固まっているときには同質性のほうが強い、みたいなこともあるんですかね?

(入山)それはあると思います。日本は現場が強い国だから、同質性を活かしてみんな同じことをやる方が、当時は競争力が高かった。

だから、今もそういうことをやりたい会社は同じ戦略を取った方がいいと思います。日本全体で見れば多様性は大事だけれども、すべての会社が多様である必要はなくて、結局は目的と会社の状況次第。

新R25 ビジネスパーソン、インタビュー入山章栄先生

ひとりでできる自己内多様性、イントラパーソナル・ダイバーシティ

そして、この動画の最後のほうにイントラパーソナル・ダイバーシティという言葉が出てきます。

(中略)
多様性って先ほどの分類とはまた別に、「イントラパーソナル・ダイバーシティ」というものもあるんです。

同じ組織に多様な人がいる状態じゃなくても、ひとりが多様な経験や幅広い知見を持っていたら、その人の中で離れた知と知の組み合わせが生まれるじゃないですか。

だから、ダイバーシティって実はひとりでも実現できるんです。

(聞き手)
なるほど。事業やサービスのゼロイチフェーズは、「個人内多様性の高いリーダー×同質性の高いチーム」がベストな組み合わせかもしれませんね。

新R25 ビジネスパーソン、インタビュー入山章栄先生

世界標準の経営理論より〜イントラパーソナル・ダイバーシティ〜

イントラパーソナル・ダイバーシティについては入山先生の大ベストセラー、世界標準の経営理論でこのような説明がされていました。

知の探索・深化の理論に基づけば、ダイバーシティの本質は、知の探索を促すためにある。だとすれば、先のように「一つの組織に多様な人がいる」(組織ダイバーンティ)ことも重要だが、「ー人の人間が多様な、幅広い知見や経験を持っている」のなら、その人の中で離れた知と知のを組み合わせが進み、新しい知が創造できるのだ。これを、経営学では「イントラパーソナル・ダイバーシティ」(Intrapersonal Diversity)と呼ぶ。「個人内多機性」という意味だ。筆者は「一人ダイバーシティ」と呼んでいる。ダイバーシティは、一人でもできるのだ。これが、個人レベルの知の探索である。

イントラパーソナル・ダイバーシティという言葉は、初めて知った方も多いだろう。それもそのはずで、ここ10数年くらいの間で、経営学で注目されている新しい概念だからだ。近年は実証研究が進んできており、そして多くの研究で「イントラパーソナル・ダイバーシティが高い人は様々な側面でパフォーマンスが高い」という結果が得られている。

「世界標準の経営理論」入山章栄(p.244)

まとめ

引用続きの投稿で恐縮ですが、ゼミ生さんのモヤモヤへのアンサーが入山先生の対談にあったように思います。
すべての組織において多様性を高めるのが正しいということではない。
しかし、自分の中での自己内(個人内)多様性、ひとりダイバーシティを意識的に高めることが、自分や所属する組織を面白くし、発展的させていくと私の中で整理しました。

最後にイントラパーソナル・ダイバーシティを浸透させようとしている企業さんのHPから概念図を引用させていただきます。

(株)シルバーウッドHPより



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