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自分が自分の親になること#104

実は今日、父が心筋梗塞で倒れ、緊急搬送された。一命は取りとめたものの、今も集中治療室に入っている。実家では今朝まで元気だったとのことなので、突然の出来事だ。

こんな時にnote執筆かと思われそうだが、書かずにはいられない。

仕事を抜けタクシーで病院に向かう途中も涙が止まらなくて待機時間、暇な時間ができると、絶望的な気分になってしまうので、どうやって気をまぎらわそうか、心の松葉杖のような言葉を探し続けた。

そうだ、土門蘭さんだ。

土門蘭さんは宇多田ヒカルさんがお好きとのこと。蘭さん彼女の曲を水の流れるような、魂が浄化される曲であると同時に宇多田ヒカルさんのことを子供みたい、と言う。

「子供みたい」と言うのは、幼稚という意味ではなくて、

子供は自分で自分をケアできないから親をおもんばかる、無私の心があるのではないか。
生きているうちに付着した、執着心、恨み、悲しみ自己顕示欲、いろいろなものを彼女は自分自身で落としてきたんじゃないかな

土門蘭さん放送より

ここで自分の子供のことが思い出され、
「あぁ」声が出そうになった。
澄んだ瞳で何の疑いもなく、全人格を持って私を愛してくれる存在、小さな子供。

病室で苦しみに耐えた後、涙を溜めた目で私を見る父を見て初めて「子供みたい」と思った。
同時にすごく孤独にも見えた。

土門蘭さんも別の放送で肺炎に罹患したお父さんに付き添った話をしてくれた。
その時も自分の親が純真無垢な子供のように見え、自分自身が親の保護者になった感覚を初めて持ったそうだ。

宇多田ヒカルさんも複雑な生い立ちでかなり精神が不安定になり孤独を強く感じていた時もあったそうだが、孤独の中で心が研ぎ澄まされ、

土門蘭さんはあるときの宇多田ヒカルさんを、、

宇多田ヒカルさんは自分のお母さんになった 

土門蘭さん放送より

と言っていた。自分の親になるとは、

自分で自分を愛する 
自分が自分を諦めず、全肯定する

土門蘭さん放送より
人間は誰かの子供として生まれ、 
誰かの親になり
自分の親になり
自分の親の親になる

そんなふうにして人は生きていくのかもしれない。私も大人になり、人の親になり、ようやく、自分自身を愛すことができるようになってきた。

そして今私はただただ父の存在を全肯定して愛していくのだ。私にできることはそれしかない。

ちなみに土門蘭さんの好きな宇多田ヒカルさんの曲は「あなた」。1小節を聞いただけでノックダウン(=号泣)だった。


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