聞きたいこと、聞けないこと #3
先日、自転車に乗っていろんな用事を足している時に、ふといつもと違う道を通りたくなり、私が通っていた小学校の前を通りました。
私が小学校を卒業したのは12年前で、そのときはまだ古い家が立ち並ぶ道でした。次第にアパートや老人ホームが建設されて、友だちと石ころ戦争をしていた小径はもう無くなっています。
ふと、小学校から友だちと下校していた記憶が蘇りました。
よくやっていたのが「質問ごっこ」。
皆さんがいま想像されている、おそらくそのままの形で間違いはないと思います。とにかくそれぞれが別れるまで質問し合うんです。
今でも私はそうなのですが、基本的に人から質問をされるのは好きです。(笑) 興味を持ってもらえてるってことだし、やっぱり自分のことを話すのは好きなので。そこは昔から変わっていません。
小学生なので質問もかわいいもんです。好きなピザの味は、とか、休みの日は何してる?とか、好きなプリキュアは誰だとか。好きな子は誰?とか。基本的にはなんでも答えられるようなものばかりでした。
小さい頃って本当に純粋なんですよね。私はレジのバイトをしていたころ歯列矯正をしていました。歯の表側にマルチブラケット装置という接着する矯正装置をつけ(銀の四角いやつです)その周りに一つ一つ小さなゴムをはめているんですよ。
今はそのゴムもかなりカラーバリエーションが豊富で、わざわざカラフルなゴムの配色にしておしゃれをする方もいらっしゃるくらいなのです!
基本的には白色のゴムで、カレーなどの着色しやすいものを食べるとすぐに黄色くなってしまうためNGなのですが、定期検診前になるとカレーを食べて黄ばんだゴムを取り替えてもらうんです。(笑)
5歳くらいの女の子を連れてきたパパがお財布からお金を取り出している最中、女の子が
「ねーねー、パパーー。なんでこの人歯が黄色いのぉー?」
と店内に響き渡る声量を放ったことがありました。やめてくれ。歯が黄色いのではなくてゴムが黄色くなってしまっているのだよ。とも言い返せず。
大人だったら触れてはいけないところもばっちり触れていくのが純粋100%の子どもです。
私たちは年齢を重ねるごとにいろんな経験をして大人になっていきます。そこには決して誰にも触れられたくない過去もあるでしょうし、聞きたくても聞けないことってたくさんありますよね。
私自身も誰かと話している時にふと聞きたくなることってたくさんあります。でも相手の事情だったり、時にはなんとなく返事を聞くのが怖くて敢えて聞かないでいたり、なにかと礼儀と保身を天秤にかけることも増えてくるものです。
純粋なことはもちろんいいと思うし、そういう感覚が失われてしまうと、何をするにも素直な感情は生まれない。感動もしなくなる。
だけれど、私は、私たちのいろんな事情を知った上で、誰かの思いを受け取ることができるような、寄り添えるような、そんな人間でありたいと思うのです。
たくさんの本を読み、話を聞き、優しくされ、今でもいろんな愛情をいろんな人から毎日もらっています。そうすることで自分の心の小ささに毎度情けない気持ちになりますが、私の理想の人間というのは心に余裕があって、他人のことを考えられる人なんです。きっと誰かを思い行動できる人はたくさん辛いことも悲しいことも経験されたのでしょう。傷の痛みがわからない人は簡単に人を傷つけます。
まだまだ子どもで余裕のない毎日を送っている私ですが、これからたくさんのことを経験して肥やされた人間になりたいです。
気づいたらこの自粛期間中にカラダの方が肥えちゃってました!てへ!とならないように気をつけるぞ。。そっちじゃないよ、私よ。
私の生きている中での些細な、時には大切なものに触れていただく瞬間。少しでもいいなと思ってくださったらぜひサポートよろしくお願いいたします(^^)