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短歌 投稿掲載一覧

■ダ・ヴィンチ 穂村弘選
2017/12/6『初恋』
 目薬をさす君のからだが無防備になる瞬間に恋に落ちたよ
2018/11/6『歯』
 車窓から見える景色は抜歯屋がペンチをならべ微笑むインド

■日経歌壇 穂村弘選
2018/02/03
 君が手をふるのが見えてふり返す誰か知らない人もふってる
2018/02/24
 花ばたけ道に迷って見た景色あれが旅行のハイライトだった
2018/03/24
 我が家にも同じのがあるサスペンスドラマの凶器熊の置物
2018/04/28
 チベットで別れ話になるなんて帰り道だけ聞いていいかな
2018/07/28
 マグカップ変な角度で持ち手あり疲れているとふいに気が付く
2018/12/01
 満月の夜の砂浜十匹の犬が現れ波と戯れ

■毎日歌壇 加藤治郎選
2017/11/27
 「あきらめる」と言えば「私もあきらめる」と声が聞こえて犬と目があう
2018/01/29
 雪だるまの声は知らぬが雪だるまの声で話して聞かせる絵本
2018/02/26
 髪を切り髪が首すじ撫でるのにまだ馴れなくてマフラーを巻く
2018/05/14
 終電の窓から見える「楽園」のネオンサインが遠く感じる
2018/06/12
 その男は少し考え「特技:牛乳の一気飲み」と付け加えた
2018/07/16
 雨だれの渡り廊下ですれ違うときやわらかな黙礼をする
2018/09/11
 蜃気楼つぎに生まれる国のこと想像をしてレモンを齧る
2018/10/01
 本当は少し怖かったの母が犬歯でキッと糸を切るとき

■短歌de胸キュン 佐伯裕子選
佳作 2017.8月号「可笑しい」
 初夏の朝、あなたのパジャマ可笑しくてパンにバターをゆっくりと塗る
入選 2018.3月号「新しい」 1月28日放送
 すれ違う人からパンの香りしてパン屋をさがす新しい町
佳作 2018.4月号「荒い」
 荒れた手にハンドクリーム塗るようにホットミルクを温める人

■NHK短歌 黒瀬珂瀾選 
佳作 2018.1月号「動画」
 この窓が動画のように見えてくるただただ雪が降りしきる国

■NHK短歌 東直子選
佳作 2018.10月号「文具」
 鉛筆を転がし決める正解の未来は六つでいいのでしょうか
佳作 2019.1月号「本」
 手袋は兎になって標本のように木箱で眠り続ける

■暮しの手帖 奥村晃作選
佳作「空」暮しの手帖第4世紀94号 2018年6-7月号
 外国へ行ってみたいと仰ぎ見た空に棚引く飛行機の雲