G20デジタル経済相会合
Yahoo!ニュースにも出ていた、G20デジタル経済相会合。河野太郎大臣のツイートでは、華やかで個性的な会場の様子も伺える。
(2) Xユーザーの河野太郎さん: 「G20デジタル経済大臣会合始まります。 https://t.co/53uhP1AZ2U」 / X (twitter.com)
G20デジタル経済相会合がインドのベンガルールで開催された。会合終了後、河野太郎デジタル大臣は記者団に「データの国境を越えた流通なしに経済発展は難しいという認識が広がってきた」と成果を強調したらしい。
以前からDFFTを提唱している日本としては、今回、国をまたいだ、信頼性のある自由なデータ流通の実現を盛り込んだ合意文書をまとめられたことは非常に大きな成果だと思う。
DFFTは2019年1月にスイス・ジュネーブで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にて、安倍元総理が提唱し、2019年6月のG20大阪サミットにおいて各国首脳からの支持を得て、首脳宣言に盛り込まれた。
あれから4年。コロナ禍で人流が止まった一方、各分野でオンラインの活用が急速に浸透し、データ流通が膨大に増えた。この劇的な環境変化により、データ流通が一部ではなく、すべての社会活動に関する重要な事項として認識され、プライバシーや知的財産権の保護について今まで以上に大勢の人に考えさせるようになったと思う。
誰もが当たり前のようにデータ流通を行うが故に、国家間のサーバー経由のデータ流通も大幅に増え、その信頼性に疑問を持つことも増えた。ハッキングだけでなく、ジャンプサーバーを悪意を持って利用する事案も身近に起こるようになると何を信頼していいのか不安も募る為、安心して利用できる環境が必要である。
今回の会合には日米欧の先進国の参加は当然だが、ロシアや中国が参加したことは風通しのよい環境を作るのに役立つだろう。中国メーカーのスマホやPCを利用すると情報が漏洩するような噂があったこともあるが、その真偽は別にして、中国が他の国と非協力的でSoCやOSを独自のものを製造、利用し独自路線を走っているからこそ余計にこのような噂が出るのだろう。
今までの中国はある種、閉鎖的な事業展開を行なってきたが、今回の合意文書に中国がどれだけ歩み寄るかで、これからの中国に対する日本を含む諸外国の経済活動にも影響が出そうだ。
データの信頼性に目を向けるとNFTのようなブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータも少しずつ世に出るようになり、NFTアートも億単位での価格で落札されるものも出てきている。デジタルデータだから安易にコピーができ、拡散するといった無法地帯のような時代が続く一方で、ユーザー側で権利を守ろうとする動きが活発になりつつある。
今回のG20デジタル経済相会合はデータの信頼性を重視し、価値を担保するといった各国家としての動きを全世界にアピールしたように思える。2019年の安倍元総理や2023年の河野太郎デジタル大臣のように日本の国益の為、リーダーシップを取り、全世界で主張し、意見をまとめ上げられる人材の活躍に今後も目が離せない。