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NOKOSUプロジェクト

国連主催で、インターネットに関するあらゆる課題について、多様な関係者が対等な立場で対話を行うインターネット政策の分野で最も重要な会議のGF(インターネット・ガバナンス・フォーラム)。
2023年京都IGFに参加された河野太郎大臣が訪れたというブース、NOKOSUプロジェクトというものをこちらの方のツイートで知った。

https://x.com/nokosup/status/1710951680890863716?s=53&t=kN6hS7zWY5LAL60jaT7gJQ

多くの人はその時その時の大切な時間を、写真やビデオとして記録している。幼い子供の姿や旅行で見た景色、様々な時間を記録。

時代が変わり、長期保存をする為にアナログデータをデジタルデータに変換することが当たり前になっている。

写真をスキャンしてJPEG画像にしたり、8mmやVHSの録画をキャプチャーしてDVDやBDに保存するサービスを利用するだけでなく、PCの高性能化により個人でも手軽にできるようになった。

これらの記録データは「思い出」として、見た人の脳内で展開され、記憶と照らし合わせて復元されている。つまり、個人としては重要なものを保存したことになる。

しかし、世の中には社会として保存すべき重要なものがあると思う。それは「空間」である。

世界遺産、有形文化財と保護をすべきと人類が認めたものは数多くある。外的要因による風化や破損から守ったり、破損部を修復したりと様々なアプローチがなされている。

僕個人の考えになるが、物理的なアプローチには限界があると思う。建物や周囲の空間ごと保管(補完)し、管理できないのか。この考えに一つの解決策を出した人たちがいる。
それが、NOKOSUプロジェクトだ。

NOKOSUプロジェクトの発端は京都の会社「イザン」のインターンシップ生の卒業制作で、彼女が挑んだのは幼い頃から何度も訪れた大好きなおばあさんのお家をデジタルのアルバムにしてプレゼントすることだった。
インターンシップの活動で学んだことを生かし、おばあさんの家を3Dモデルのバーチャルツアーにしたのだ。

発足から3年余りで、京都の茶室、城下町の商店街、神社本殿、温泉旅館、大学の建物と様々な「空間」を「残す」ことをしてきた。美術館で展示物を見るかのような芸術作品のNeRF(自由視点画像を生成する技術)動画の作成なども手掛けている。NOKOSUプロジェクトはIGF京都2023の「IGF Village」という展示会でブースを出展している。

若いアイデアから生まれた活動は、まさにメタバースの存在と似た新しい価値観のはじまりだと感じた。これから先、NOKOSUプロジェクトが何を「残す」のか楽しみだ。

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